NVMeの概要
一部のコントローラーには、NVMe (Non-Volatile Memory Express) over Fibre Channel ファブリックまたは NVMe over RoCE (RDMA over Converged Ethernet) ファブリックを実装するためのポートが搭載されています。NVMeを使用すると、ホストとストレージ アレイの間でハイパフォーマンスな通信が実現します。
NVMeとは
NVMは「Non-Volatile Memory(非揮発性メモリ)」の略であり、多くのタイプのストレージ デバイスで使用されている永続的メモリです。NVMe(NVM Express)は、NVMデバイスとのハイパフォーマンスなマルチキュー通信に特化して設計された、標準インターフェイス(プロトコル)です。
NVMe over Fabricsとは
NVMe over Fabrics(NVMe-oF)は、NVMeメッセージベースのコマンドおよびデータをホスト コンピュータとストレージの間でネットワーク経由で転送可能にするテクノロジ仕様です。ThinkSystem SAN OS 11.60.2 リリース以上では、Fibre Channel または RDMA ファブリックを使用するホストが NVMe ストレージ・アレイ (サブシステムと呼ばれます) にアクセスできます。NVMeコマンドは、ホスト側とサブシステム側の両方のトランスポート抽象化レイヤで有効化され、カプセル化されます。これにより、ハイパフォーマンスなNVMeインターフェイスのエンドツーエンドがホストからストレージへ拡張され、コマンド セットが標準化、簡易化されます。
NVMe-oFストレージは、ローカルのブロック ストレージ デバイスとしてホストに提示されます。ボリューム(ネームスペース)は、他のブロック ストレージ デバイスと同様に、ファイルシステムにマウントできます。必要に応じて、REST API、SMcli、または ThinkSystem System Manager を使用してストレージをプロビジョニングできます。
ネームスペースおよびネームスペースIDとは
ネームスペースはSCSIの論理ユニットに相当し、アレイ内のボリュームに関連付けられています。ネームスペースID(NSID)は、SCSIの論理ユニット番号(LUN)に相当します。NSIDはネームスペースの作成時に作成し、1~255の値を設定できます。
NVMeコントローラとは
SCSI I_T nexus(ホストのイニシエータからストレージ システムのターゲットへのパス)と同様に、NVMeコントローラはホストの接続プロセス中に作成され、ホストとストレージ アレイ内のネームスペースの間のアクセス パスを提供します。NVMeコントローラはホストのNQNとホスト ポート識別子によって一意に識別されます。NVMeコントローラを関連付けできるのは単一のホストのみですが、NVMeコントローラは複数のネームスペースにアクセスできます。
ThinkSystem System Manager を使用して、どのホストがどの名前空間にアクセスできるかを構成し、ホストの名前空間 ID を設定します。その後、NVMeコントローラが作成されると、NVMeコントローラからアクセス可能なネームスペースIDのリストが作成され、許可される接続の設定に使用されます。