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自動ロード バランシングの概要

自動ロード バランシング機能を使用すると、負荷の変化に動的に対応してボリュームのコントローラ所有権が自動的に調整されるため、コントローラ間でワークロードが移動する際の負荷の不均衡が解消され、I/Oリソースの管理が強化されます。

各コントローラのワークロードが継続的に監視され、ホストにインストールされたマルチパス ドライバとの連携により、必要に応じて自動的に負荷を調整することができます。ワークロードがコントローラ間で自動的に再分散されるため、ストレージ アレイの負荷の変化に応じてボリュームのコントローラ所有権を手動で調整する必要がなくなり、ストレージ管理者の負担が軽減されます。

自動ロード バランシングを有効にすると、次の機能が実行されます。
  • コントローラのリソース利用率が自動的に監視されて負荷が分散されます。

  • ボリュームのコントローラ所有権が必要に応じて自動的に調整され、ホストとストレージ アレイの間のI/O帯域幅が最適化されます。

自動ロード バランシングの有効化と無効化

自動ロード バランシングは、すべてのストレージ アレイ上でデフォルトで有効に設定されています。

自動ロード バランシングは、ストレージ アレイの状況に応じて無効にすることもできます。
  • たとえば次のような場合です。

  • 特定のボリュームのコントローラ所有権については、ワークロードを分散するために自動的に変更されないようにしたい。

自動ロード バランシング機能をサポートするホスト タイプ

自動ロード バランシングを有効にするのはストレージ アレイ レベルですが、ホストまたはホスト クラスタに選択したホスト タイプがこの機能の動作に直接影響します。

ストレージ アレイのワークロードをコントローラ間で分散する際、自動ロード バランシング機能は、両方のコントローラからアクセスでき、自動ロード バランシング機能をサポートするホストまたはホスト クラスタにのみマッピングされたボリュームの移動を試みます。

これは、負荷分散の処理によってホストがボリュームにアクセスできなくなることを防ぐための措置ですが、自動ロード バランシングをサポートしていないホストにマッピングされたボリュームがあると、ストレージ アレイはワークロードを分散できません。自動ロード バランシングがワークロードを分散するためには、マルチパス ドライバがTPGSをサポートしていることと、ホスト タイプが次の表に含まれていることが必要です。

ホスト クラスタが自動ロード バランシングに対応しているとみなされるのは、そのグループ内のすべてのホストが自動ロード バランシングをサポートしている場合です。
自動ロード・バランシングをサポートするホスト・タイプマルチパス・ドライバー
WindowsまたはWindowsクラスタ

MPIO

Linux DM-MP (カーネル3.10以降)DM-MP と scsi_dh_alua デバイス・ハンドラー
VMwareネイティブ・マルチパス・プラグイン (NMP) と VMW_SATP_ALUA Storage Array Type プラグイン
一部の例外を除き、自動ロード バランシングをサポートしていないホスト タイプは、この機能が有効になっているかどうかに関係なく正常に動作し続けます。例外の1つがシステムのフェイルオーバーです。自動ロード・バランシングをサポートしていないホストにマッピングまたは割り当てられているボリュームは移動されません。

特定のマルチパス・ドライバー、OS レベル、およびコントローラー・ドライブ・トレイのサポートの互換性情報については、 Lenovo Interoperability Matrix を参照してください。

DSM の考慮事項

マルチパス・ドライバーのインストールに関する考慮事項を以下に示します。

Linux

すべての Linux OS に、ホスト・マッピング「Linux DM-MP (Kernel 3.10 以降)」を使用します。

RHEL 7、RHEL 8、SLES 11 SP4、SLES 12、SLES 15 以降の場合、/etc/multipath.conf の変更が必要です。
  1. 推奨される設定を以下に示します。
    devices {
    device {
    vendor "LENOVO"
    product "DE_Series"
    product_blacklist "Universal Xport"
    path_grouping_policy "group_by_prio"
    path_checker "rdac"
    features "2 pg_init_retries 50"
    hardware_handler "1 rdac"
    prio "rdac"
    failback immediate
    rr_weight "uniform"
    no_path_retry 30
    retain_attached_hw_handler yes
    detect_prio yes
    }
    }
  2. マルチパス・サービスを再開します。

  3. SAN ブートの場合、 ファイルを更新した後、multipath.conf を再構築します。

RHEL 6.7 ~ 6.9 の場合、上記の multipath.conf 設定を使用し、さらに以下を行う必要があります。
  1. 次のコマンドを実行して、ブートローダー (menu.lst 内) に「rdloaddriver=scsi_dh_alua」を追加します。grubby --update-kernel=ALL --args=rdloaddriver=scsi_dh_alua

  2. SAN ブートの場合、initramfs を再ビルドして scsi_dh_alua モジュールインクルードします。dracut -f --add-drivers scsi_dh_alua /boot/initramfs-$(uname -r).img $(uname -r)

  3. ホストをリブートします。

Windows

SAN ブートの場合、1 つのパスを使用してインストールした後、残りのパスをホストに提示する前に DSM ドライバーをインストールしてリブートします。

SAN ブートでない場合、LUN をホストに提示する前に DSM をインストールします。

VMware

インストール後、次のコマンドを使用して要求規則を手動で作成した後、リブートします。
esxcli storage nmp satp rule add -s VMW_SATP_ALUA -V LENOVO -M DE_Series -c tpgs_on -P VMW_PSP_RR -e 
"Lenovo DE-Series arrays with ALUA support"
iSCSI SANboot の場合、SANboot に参加しているすべての vmkernel に、物理アダプターに一致する MAC アドレスがあることを確認します。インストール中に作成されたデフォルト・アダプターにデフォルトで一致します。追加の vmkernel の作成時に次のコマンドを使用してし、MAC アドレスを指定します。
esxcli network ip interface add -i [vmkernel name] -M “[MAC address]“ -p “[Portgroup name]” -m [MTUSIZE]

DSM の詳細については、https://datacentersupport.lenovo.comThinkSystem DE シリーズ・ハードウェアのインストールおよびメインテナンス・ガイド を参照してください。

自動ロード バランシング機能とOSの互換性の確認

新しいシステムを設定(または既存のシステムを移行)する前に、自動ロード バランシング機能とOSとの互換性を確認します。

  1. Lenovo Interoperability Matrix 」にアクセスして、お使いのソリューションを見つけ、サポートを確認します。

  2. Linux OS の場合、 /etc/multipath.conf file を更新して構成します。

  3. 該当するベンダーと製品で retain_attached_hw_handler detect_prio の両方が yes に設定されていることを確認するか、デフォルト設定を使用します。