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ボリューム・グループの作成

create volumeGroupコマンドは、一連の未割り当てのドライブを入力したときに、空き容量のあるボリューム・グループ、または1個のボリュームを含むボリューム・グループを作成します。

対応アレイ

このコマンドは、DE2000H、DE4000H、DE4000F、DE6000H、または DE6000F の個々のストレージ・アレイに適用されます。

ロール

このコマンドをストレージ・アレイに対して実行するには、Storage Admin ロールが必要です。

構文

create volumeGroup 
drives=(<var id="GUID-7361A10E-3C42-4D9F-A0BD-B6FA3AAB4778__V1111815" className="keyword varname">trayID1,[drawerID1,]slotID1 ... trayIDn,[drawerIDn,]slotIDn</var>)
raidLevel=(0 | 1 | 3 | 5 | 6)
userLabel="<var id="GUID-7361A10E-3C42-4D9F-A0BD-B6FA3AAB4778__V1111816" className="keyword varname">volumeGroupName</var>"
[driveMediaType=(HDD | SSD | unknown | allMedia)]
[driveType=SAS]
[trayLossProtect=(TRUE | FALSE)]
[drawerLossProtect=(TRUE | FALSE)]
[securityType=(none | capable | enabled )]
[dataAssurance=(none | enabled)]
[resourceProvisioningCapable=(TRUE | FALSE)]

パラメーター

パラメーター説明
drives 作成するボリューム・グループに割り当てるドライブ。

大容量ドライブ・トレイの場合は、ドライブのトレイIDの値、ドロワーIDの値、およびスロットIDの値を指定します。小容量ドライブ・トレイの場合は、ドライブのトレイIDの値とスロットIDの値を指定します。トレイ ID の値は、 0 99 です。ドロワー ID の値は、 1 5 です。

スロット ID の最大値はすべて 24 です。スロット ID の値は、トレイのモデルに応じて 0 または 1 で始まります。DE2000H / DE4000H / DE4000F / DE6000H / DE6000F コントローラーと互換性のあるドライブ・トレイのスロット ID 番号は 0 から始まります。

トレイ ID の値、ドロワー ID の値、およびスロット ID の値は角かっこ ([ ]) で囲みます。

raidLevel ボリュームが含まれているボリューム・グループのRAIDレベル。有効な値は、 0 1 3 5 、または 6 です。
userLabel 新しいボリューム・グループに付ける名前。ボリューム・グループ名は二重引用符 (" ") で囲みます。
driveMediaType

ボリューム・グループに使用するドライブ・メディアのタイプ。

ストレージ・アレイ内に複数のドライブ・メディア・タイプがある場合は、このパラメーターを使用する必要があります。

有効なドライブ・メディアは、次のとおりです。

  • HDD – ドライブ・トレイ内にハードディスク・ドライブがある場合は、このオプションを使用します。
  • SSD – ドライブ・トレイ内にソリッド・ステート・ドライブがある場合は、このオプションを使用します。
  • unknown – ドライブ・トレイ内のドライブ・メディアのタイプが不明な場合は、このオプションを使用します。
  • allMedia – ドライブ・トレイ内にあるすべてのタイプのドライブ・メディアを使用する場合は、このオプションを使用します。
driveType

ボリューム・グループで使用するドライブのタイプ。ドライブ・タイプを混在させることはできません。

有効なドライブ・タイプは、次のとおりです。

有効なドライブ・タイプは SAS です。

trayLossProtect ボリューム・グループを作成するときにトレイ損失の保護を有効にする設定。トレイ損失の保護を有効にする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。デフォルト値は FALSE です。
drawerLossProtect ボリューム・グループを作成するときにドロワー損失の保護を有効にする設定。ドロワー損失の保護を有効にする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。デフォルト値は FALSE です。
securityType

ボリューム・グループおよび関連するすべてのボリュームの作成時にセキュリティー・レベルを指定する設定。有効な値は、次のとおりです。

  • none – ボリューム・グループとボリュームはセキュアではありません。
  • capable – ボリューム・グループとボリュームにはセキュリティーを設定する機能がありますが、セキュリティーが有効になっていません。
  • enabled – ボリューム・グループとボリュームはセキュリティーが有効になっています。
resourceProvisioningCapable

リソースのプロビジョニング機能が有効かどうかを指定する設定。リソースのプロビジョニングを無効にするには、このパラメーターを FALSE に設定します。デフォルト値は TRUE です。

ドライブとボリューム・グループ

ボリューム・グループは、ストレージ・アレイのコントローラーによって論理的にグループ化された一連のドライブです。ボリューム・グループ内のドライブ数は、RAIDレベルとコントローラー・ファームウェアによって制限されます。ボリューム・グループを作成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

  • あとから使用するために容量をリザーブできるように、空のボリューム・グループを作成できます。

  • DE2000H、DE4000H、および DE6000H の 1 つのボリューム・グループ内で HDD と SSD ドライブを混在させることはできません。

  • DE4000F および DE6000F サポート SSD のみ。

  • ボリューム・グループのドライブの最大数は、次の条件によって異なります。

    • コントローラーのタイプ

    • RAIDレベル

  • RAID レベルには次のものが含まれます。

    0、1、3、5、および 6
    • RAIDレベル3、RAIDレベル5、またはRAIDレベル6のボリューム・グループに配置できるドライブは最大30本です。

    • RAIDレベル6のボリューム・グループには、少なくとも5本のドライブが必要です。

    • RAIDレベル1のボリューム・グループに4本以上のドライブが配置されている場合、ストレージ管理ソフトウェアは、ボリューム・グループをRAIDレベル10 (RAIDレベル1 + RAIDレベル0) に自動的に変更します。

  • トレイ / ドロワー損失の保護を有効にする場合は、次の表の追加条件を参照してください。

レベルシェルフ損失の保護の基準必要なシェルフの最小数
ディスク・プールディスク・プールに同じトレイのドライブが3本以上含まれない。6
RAID 6

ボリューム・グループに同じシェルフのドライブが3本以上含まれない。

3
RAID 3またはRAID 5

ボリューム・グループ内のドライブがすべて別々のシェルフに配置されている。

3
RAID 1

RAID 1ペアのドライブがそれぞれ別のシェルフに配置されている。

2
RAID 0

シェルフ損失の保護は実現できない。

該当なし
レベルドロワー損失の保護の基準必要なドロワーの最小数
ディスク・プールプールに5つのドロワーすべてのドライブが含まれていて、各ドロワーに同じ数のドライブが配置されている。60 ドライブのトレイでは、ディスク・プールに含まれるドライブの数が 15、20、25、30、35、40、45、50、55、または 60 のいずれかである場合にドロワー損失の保護を実現できます。5
RAID 6ボリューム・グループに同じドロワーのドライブが3本以上含まれない。3
RAID 3またはRAID 5ボリューム・グループ内のドライブがすべて別々のドロワーに配置されている。3
RAID 1ミラー ペアのドライブがそれぞれ別のドロワーに配置されている。2
RAID 0ドロワー損失の保護は実現できない。該当なし

ホット・スペア

ボリューム・グループでは、データを保護するための重要な戦略は、ストレージ・アレイ内の使用可能なドライブをホット・スペア・ドライブとして割り当てることです。ホット・スペアは、データが格納されていないドライブで、RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 6のいずれかのボリューム・グループでドライブに障害が発生した場合に、ストレージ・アレイでスタンバイとして機能します。ホット・スペアを使用すると、ストレージ・アレイの冗長性が向上します。

通常、ホット・スペア・ドライブには、保護対象のドライブの使用済み容量以上の容量が必要です。ホット・スペア・ドライブのメディア・タイプ、インターフェース・タイプ、および容量は、保護対象のドライブと同じである必要があります。

ストレージ・アレイのドライブで障害が発生した場合、通常は障害が発生したドライブの代わりにホット・スペアが自動的に使用されます。ドライブ障害の発生時にホット・スペアが使用可能であれば、冗長性データ・パリティを使用してホット・スペアにデータが再構築されます。データ退避のサポートでは、障害が発生したドライブとしてマークされる前に、データをホット・スペアにコピーすることもできます。

障害が発生したドライブを物理的に交換したあとで、次のいずれかのオプションを使用してデータをリストアできます。

障害が発生したドライブを交換した場合、ホット・スペアのデータは、交換用のドライブにコピーされます。この操作をコピーバックと呼びます。

ホット・スペア・ドライブをボリューム・グループの永続的メンバーとして指定している場合は、コピーバック処理は不要です。

ボリューム・グループのトレイ損失の保護およびドロワー損失の保護が可能かどうかは、ボリューム・グループを構成するドライブの場所によって異なります。ドライブの障害とホット・スペア・ドライブの場所によって、トレイ損失保護とドロワー損失保護が失われる場合があります。トレイ損失の保護とドロワー損失の保護が影響を受けないようにするには、障害が発生したドライブを交換してコピーバック処理を開始する必要があります。

ストレージ・アレイでは、データ保証 (DA) が有効なボリュームのホット・スペア対象範囲としてDA対応ドライブが自動的に選択されます。

DAが有効なボリュームのホット・スペア対象範囲のストレージ・アレイ内にDA対応ドライブがあることを確認してください。DA対応ドライブの詳細については、データ保証機能を参照してください。

セキュリティー対応 (FIPSおよびFDE) ドライブは、セキュリティー対応とセキュリティー非対応の両方のドライブのホット・スペアとして使用できます。セキュリティー非対応ドライブは、他のセキュリティー非対応ドライブに対して、また、ボリューム・グループでセキュリティーが有効になっていない場合はセキュリティー対応ドライブに対しても、対応可能です。FIPS ボリューム・グループは、FIPSドライブのみをホット・スペアとして使用できます。ただし、FIPS ホット・スペアは、セキュリティー非対応、セキュリティー対応、およびセキュリティー有効のボリューム・グループに対して使用可能です。

ホット・スペアがない場合でも、ストレージ・アレイの動作中に、障害が発生したドライブを交換できます。RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 6のいずれかのボリューム・グループのドライブに障害が発生した場合、コントローラーは冗長性データ・パリティを使用して、交換用ドライブにデータを自動的に再構築します。この操作を再構築と呼びます。

セグメント・サイズ

コントローラーがボリューム内の 1 つのドライブに書き込めるデータ・ブロックの数は、セグメントのサイズによって決まります。各データ・ブロックには 512 バイトのデータが格納されます。データ・ブロックはストレージの最小単位です。セグメントのサイズによって、格納されるデータ・ブロックの数が決まります。たとえば、8KB のセグメントには 16 個のデータ・ブロックが含まれます。64KB のセグメントには 128 個のデータ・ブロックが含まれます。

セグメント・サイズの値を入力すると、その値は、実行時にコントローラーで指定される、サポートされている値と照合されます。入力した値が有効でない場合、コントローラーは有効な値のリストを返します。1 つの要求に対して 1 つのドライブを使用することで、同時に他のドライブでは他の要求に対応することができます。ボリュームが属している環境で、1 人のユーザが大量のデータ (マルチメディアなど) を転送している場合は、1 つのデータ転送要求を 1 つのデータ・ストライプで処理すると、パフォーマンスが最大化されます。(データ・ストライプはセグメント・サイズであり、これに、データ転送に使用されるボリューム・グループ内のドライブの数が掛けられます)。この場合、同じ要求に対して複数のドライブが使用されますが、各ドライブへのアクセス回数は1回だけです。

マルチユーザー・データベースまたはファイルシステムのストレージ環境で最適なパフォーマンスを実現するには、データ転送要求を満たすために必要なドライブ数が最小限になるように、セグメント・サイズを設定します。

使用方法のヒント

cacheReadPrefetch パラメーターまたは segmentSize パラメーターに値を入力する必要はありません。値を入力しない場合、コントローラー・ファームウェアは、 fileSystem をデフォルト値として usageHint パラメーターを使用します。 usageHint パラメーターの値と cacheReadPrefetch パラメーターの値または segmentSize パラメーターの値を入力しても、エラーは発生しません。 cacheReadPrefetch パラメーターまたは segmentSize パラメーターに入力する値は、 usageHint パラメーターの値より優先されます。各使用方法のヒントに対するセグメント・サイズおよびキャッシュ読み取りプリフェッチの設定を、次の表に示します。
使用方法のヒントセグメント・サイズの設定動的キャッシュ読み取りプリフェッチの設定
ファイルシステム128KB有効
データベース128KB有効
マルチメディア256KB有効

キャッシュ読み取りプリフェッチ

キャッシュ読み取りプリフェッチを使用すると、コントローラーは、ホストによって要求されたデータ・ブロックをドライブから読み取ってキャッシュにコピーすると同時に、追加のデータ・ブロックをキャッシュにコピーできます。この操作により、将来のデータ要求がキャッシュから達成できる可能性が高くなります。キャッシュ読み取りプリフェッチは、シーケンシャル・データ転送を使用するマルチメディア・アプリケーションにとって重要です。 cacheReadPrefetch パラメーターの有効な値は TRUE または FALSE です。デフォルトは TRUE です。

セキュリティー・タイプ

securityType パラメーターを使用して、ストレージ・アレイのセキュリティー設定を指定します。

securityType パラメーターを enabled に設定する場合は、ストレージ・アレイのセキュリティー・キーを作成する必要があります。 create storageArray securityKey コマンドを使用して、ストレージ・アレイのセキュリティー・キーを作成します。次のコマンドがセキュリティー・キーに関連しています。

  • create storageArray securityKey
  • export storageArray securityKey
  • import storageArray securityKey
  • set storageArray securityKey
  • enable volumeGroup [volumeGroupName] security
  • enable diskPool [diskPoolName] security

セキュア・ドライブ

セキュリティー対応ドライブには、Full Disk Encryption (FDE) ドライブと連邦情報処理標準 (FIPS) ドライブがあります。 secureDrives パラメーターを使用して、使用するセキュア・ドライブのタイプを指定します。使用可能な値は fips fde です。

データ保証 (DA) の管理

データ保証 (DA) 機能により、ストレージ・システムでデータの整合性が向上します。DA により、コントローラーとドライブの間をデータが移動するときに発生する可能性があるエラーをストレージ・アレイでチェックできるようになります。この機能が有効な場合、ストレージ・アレイは、ボリュームの各データ・ブロックにエラー・チェック・コード (巡回冗長検査、つまり CRC とも呼ばれます) を追加します。データ・ブロックが移動すると、ストレージ・アレイはこれらの CRC コードを使用して転送中にエラーが発生したかどうかを判断します。破損している可能性があるデータは、ディスクに書き込まれません。

DA機能を使用する場合は、まず最初にDAがサポートされているドライブのみを含むプールまたはボリューム・グループを作成します。次に、DA対応ボリュームを作成します。

すべてのドライブが DA 対応の場合は、 dataAssurance パラメーターを enabled に設定し、特定の処理で DA を使用できます。たとえば、DA対応ドライブが含まれるボリューム・グループを作成し、そのボリューム・グループにDA対応のボリュームを作成できます。DA対応のボリュームを使用する他の処理には、DA機能をサポートするオプションがあります。

dataAssurance パラメーターが enabled に設定されている場合は、DA 対応のドライブのみがボリューム候補とみなされます。それ以外の場合は、DA 対応、DA 非対応の両方のドライブが候補とみなされます。DA対応ドライブのみが使用可能な場合、新しいボリューム・グループは、有効なDA対応ドライブを使用して作成されます。