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プールとボリューム グループの仕組み

ストレージをプロビジョニングするには、ストレージ アレイで使用するハード ディスク ドライブ(HDD)またはソリッド ステート ディスク(SSD)ドライブを含むプールまたはボリューム グループを作成します。

物理ハードウェアは、データを整理し、簡単に取得できるように、論理コンポーネントにプロビジョニングされます。次の2種類のグループ化がサポートされています。

  • プール
  • ボリューム グループ

プールとボリューム グループは、ストレージ アレイ内の最上位のストレージ単位であり、ドライブの容量を管理可能な区分に分割します。これらの論理区分内に、データの格納先である個々のボリュームまたはLUNがあります。次の図で、この概念を説明します。



1 ホスト LUN
2 ボリューム
3 ボリューム・グループまたはプール
4 HDD または SSD ドライブ

ストレージ システムを導入したら、まず次の処理を実行して使用可能なドライブ容量をさまざまなホストに提供します。

  • 十分な容量を備えたプールまたはボリューム グループを作成
  • パフォーマンス要件を満たすために必要な数のドライブをプールまたはボリューム グループに追加
  • 特定のビジネス要件を満たすために必要なレベルのRAID保護(ボリューム グループを使用している場合)を選択

同じストレージ システム上にプールまたはボリューム グループを複数作成することはできますが、1本のドライブを複数のプールまたはボリューム グループに所属させることはできません。その後、プールまたはボリューム グループのスペースを使用して、I/O用にホストに表示されるボリュームが作成されます。

プール

プールは、複数の物理ハード ディスク ドライブを1つの大きいストレージ スペースに集約し、RAID保護を強化するために設計されています。プールに割り当てられたドライブをすべて使用して多数の仮想RAIDセットを作成したり、プールを構成する全ドライブにデータを均等に分散することができます。ドライブが消失または追加されると、システムはすべてのアクティブ・ドライブ間のデータを動的に再調整します。

プール機能は別の RAID として機能します。基盤となる RAID アーキテクチャーが仮想化されるため、リビルド、ドライブ拡張、ドライブ障害への対応といったタスクの実行に最適なパフォーマンスと柔軟性が実現します。システムは、8+2 構成 (8 個のデータ・ディスクと 2 個のパリティ・ディスク) の RAID レベルを自動的に 6 に設定します。

ドライブ・マッチング

プールにはHDDまたはSSDのいずれかを選択できます。ただし、ボリューム グループと同様に、プール内のすべてのドライブが同じテクノロジを使用する必要があります。どのドライブを含めるかは、コントローラが自動的に選択するため、選択したドライブ タイプに対して十分な数のドライブを確保する必要があります。

障害のあるドライブの管理

プールの最小容量は11ドライブです。ただし、ドライブに障害が発生した場合に備えて、1ドライブ分の容量がスペア容量としてリザーブされます。このスペア容量を「予約済み容量」と呼びます。

プールが作成されると、一定の容量が緊急用に保持されます。この容量は多くのドライブを用いて表されますが、実際はドライブのプール全体に分散しています。予約済み容量のデフォルトは、プール内のドライブ数に基づきます。

プールの作成後、予約済み容量の値は増減できます。また、予約済み容量なし(0ドライブ分)に設定することもできます。保持可能な最大容量(ドライブ数)は10ですが、プール内のドライブの総数に基づいて、実際に使用可能な容量はこれより小さい場合もあります。

ボリューム グループ

ボリューム グループは、ストレージ システム内で容量をボリュームに割り当てる方法を定義します。ディスク ドライブはRAIDグループにまとめられ、ボリュームは1つのRAIDグループ内の複数のドライブにまたがって実装されます。したがって、ボリューム グループの設定により、グループに含まれるドライブと、使用されているRAIDレベルが特定されます。

ボリューム グループを作成する場合、グループに含めるドライブはコントローラによって自動的に選択されます。グループのRAIDレベルは手動で選択する必要があります。ボリューム グループの容量は、選択したドライブの合計数にドライブの容量を掛けた値となります。

ドライブ・マッチング

ボリューム グループ内のドライブのサイズとパフォーマンスを一致させる必要があります。ボリューム グループ内のドライブの容量が異なる場合、すべてのドライブが最小容量のサイズとして認識されます。ボリューム グループ内のドライブの速度が異なる場合、すべてのドライブが最低速度で認識されます。これらの要素は、ストレージ システムのパフォーマンスと全体的な容量に影響します。

異なるドライブ テクノロジ(HDDとSSDドライブ)を混在させることはできません。RAID 3、5、6は、最大30ドライブまでに制限されています。RAID 1およびRAID 10はミラーリングを使用するため、ディスク数は偶数にする必要があります。

障害のあるドライブの管理

ボリューム グループに含まれるRAID 1/10、RAID 3、RAID 5、またはRAID 6のボリュームでドライブに障害が発生した場合に備えて、ボリューム グループではホット スペア ドライブをスタンバイとして使用します。ホット スペア ドライブにはデータは含まれず、ストレージ アレイの冗長性レベルの向上に使用されます。

ストレージ アレイ内のドライブで障害が発生した場合、障害が発生したドライブからホット スペア ドライブに自動的に切り替わります。物理的にドライブを交換する必要はありません。ドライブ障害の発生時にホット スペア ドライブが使用可能であれば、冗長性データを使用して障害が発生したドライブからホット スペア ドライブにデータが再構築されます。

プールまたはボリューム・グループを使用するかどうかの決定

プールを選択する

  • 迅速なドライブのリビルドやストレージ管理の簡易化が必要な場合、シン ボリュームが必要な場合、大量のランダム ワークロードを処理する場合。
  • 各ボリュームのデータをプールを構成する一連のドライブにランダムに分散する場合。

    プールまたはプールに含まれるボリュームのRAIDレベルは設定または変更できません。プールではRAID 6を使用します。

ボリューム・グループを選択する

  • システムの帯域幅を最大限に使用する場合、ストレージの設定を調整する必要がある場合、大量のシーケンシャル ワークロードを処理する場合。
  • データをRAIDレベルに基づいてドライブに分散する場合。ボリューム グループは作成時にRAIDレベルを指定できます。
  • 各ボリュームのデータをボリューム グループを構成する一連のドライブにシーケンシャルに書き込む場合。
プールとボリューム グループは共存可能で、ストレージ アレイにプールとボリューム グループの両方を含めることができます。