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ホスト・プロトコルの変更に関する考慮事項

ベースボード・ホスト・ポートと HIC ポートの開始および終了プロトコルによって、ホスト・プロトコルの変更に関する考慮事項は異なります。

ミラーリング機能またはデータ保証 (DA) 機能を使用する場合、ホスト・ポート・プロトコルを変更した際のこれらの機能への影響について理解する必要があります。

以下の考慮事項は、既に使用されているストレージ・アレイを変換する場合にのみ適用されます。まだホストやボリュームが定義されていない新しいストレージ・アレイを変換する場合、これらの考慮事項は適用されません。

FC から iSCSI への変換

  • お使いの構成に FC ベースボード・ポートに接続されている SAN ブート・ホストが含まれている場合、その構成が iSCSI でサポートされていることを確認します。サポートされていない場合、ホスト・プロトコルを iSCSI に変換できません。
  • DA 機能は iSCSI ではサポートされていません。
    • 現在、DA を使用しており、FC ホスト・ポートを iSCSI に変換する場合は、すべてのボリュームで DA を無効にする必要があります。
    • iSCSI に変換する前に DA を非アクティブ化していない場合、そのストレージ・アレイは変換後にコンプライアンス違反となります。
  • 同期ミラーリング機能は iSCSI ではサポートされていません。
    • 現在、同期ミラーリング関係を使用しており、FC ホスト・ポートを iSCSI に変換する場合は、同期ミラーリングを非アクティブ化する必要があります。
    • すべての同期ミラーリング・ペアの削除、つまりローカル・ストレージ・アレイおよびリモート・ストレージ・アレイのミラーリング関係を削除するには、ThinkSystem System Manager のオンライン・ヘルプを参照してください。また、同期ミラーリングを非アクティブ化するにはオンライン・ヘルプの指示に従います。
      重要
      iSCSI に変換する前に同期ミラーリング関係を非アクティブ化していない場合、システムはデータ・アクセスを失い、データ損失が発生する可能性があります。
  • 非同期ミラーリングでは、ローカル・ストレージ・アレイとリモート・ストレージ・アレイの両方が同じプロトコルを使用している必要があります。
    • 現在、非同期ミラーリングを使用しており、すべてのホスト・ポートを FC から iSCSI に変換する場合は、機能パックを適用する前に非同期ミラーリングを非アクティブ化する必要があります。
    • すべてのミラーリング整合性グループを削除したり、ローカル・ストレージ・アレイおよびリモート・ストレージ・アレイからすべてのミラーリング・ペアを削除したりするには、ThinkSystem System Manager のオンライン・ヘルプを参照してください。また、非同期ミラーリングを非アクティブ化するにはオンライン・ヘルプの指示に従います。

iSCSI から FC への変換

  • 非同期ミラーリングでは、ローカル・ストレージ・アレイとリモート・ストレージ・アレイの両方が同じプロトコルを使用している必要があります。現在、ベースボード・ポートで非同期ミラーリングを使用している場合、プロトコルを変更する前に非同期ミラーリングを非アクティブ化する必要があります。
  • すべてのミラーリング整合性グループを削除したり、ローカル・ストレージ・アレイおよびリモート・ストレージ・アレイからすべてのミラーリング・ペアを削除したりするには、ThinkSystem System Manager のオンライン・ヘルプを参照してください。また、非同期ミラーリングを非アクティブ化するにはオンライン・ヘルプの指示に従います。

FC から FC/iSCSI への変換

ミラーリングに関する考慮事項
  • 現在、ミラーリングに使用しているストレージ・アレイに FC ポートがあり、それらを iSCSI に変換する場合、ミラーリングに使用されているポートを判別する必要があります。
  • 変換後、ローカル・ストレージ・アレイおよびリモート・ストレージ・アレイに、アクティブな FC ポートが少なくとも 1 つあれば、両方のストレージ・アレイのポートを同じプロトコルに変換する必要はありません。
  • ミラーリング関係に使用されているポートを変換する場合、機能パックを適用する前に同期または非同期ミラーリング関係を非アクティブ化する必要があります。

    同期ミラーリングは iSCSI ではサポートされていません。

  • ミラーリングに使用されていないポートを変換する場合、非同期ミラーリングの動作は影響を受けません。
  • 機能パックを適用する前に、すべてのミラーリング整合性グループが同期されていることを確認する必要があります。機能パックを適用した後は、ローカル・ストレージ・アレイとリモート・ストレージ・アレイの通信をテストする必要があります。
データ保証に関する考慮事項
  • データ保証 (DA) 機能は iSCSI ではサポートされていません。

    データ・アクセスを中断しないようにするには、機能パックを適用する前にホスト・クラスターから DA ボリュームを再マップするか削除しなければならない場合があります。

    構成内容必要な操作

    デフォルト・クラスター内に DA ボリュームがある場合

    デフォルト・クラスター内の DA ボリュームすべてを再マップします。
    • ホスト間で DA ボリュームを共有しない場合は、以下の手順に従います。
      1. FC ホスト・ポートの各セットにホスト・パーティションを作成します (まだ実行していない場合)。
      2. DA ボリュームを適切なホスト・ポートに再マップします。
    • ホスト間で DA ボリュームを共有する場合は、以下の手順に従います。
      1. FC ホスト・ポートの各セットにホスト・パーティションを作成します (まだ実行していない場合)。
      2. 適切なホスト・ポートが含まれているホスト・クラスターを作成します。
      3. DA ボリュームを新しいホスト・クラスターに再マップします。
        このアプローチでは、デフォルト・クラスター内にあるボリュームすべてに対するボリューム・アクセスを排除します。

    FC 専用ホストを含むホスト・クラスター内の DA ボリューム、かつ iSCSI 専用ホストを追加する場合

    次のオプションのいずれかを使用して、クラスターに属するすべて DA ボリュームを削除します。

    このシナリオでは、DA ボリュームを共有できません。
    • ホスト間で DA ボリュームを共有しない場合は、クラスター内の個別の FC ホストに、すべての DA ボリュームを再マップします。
    • iSCSI 専用ホストを独自のホスト・クラスターに分離して、FC ホスト・クラスターは (共有 DA ボリュームとともに) そのまま保持します。
    • FC HBA を iSCSI 専用ホストに追加して、DA ボリュームと非 DA ボリュームの両方を共有できるようにします。

    FC 専用ホストを含むホスト・クラスター内の DA ボリューム、または個別の FC ホスト・パーティションにマップされている DA ボリューム

    機能パックを適用する前に必要な操作はありません。DA ボリュームは、それぞれの FC ホストにマップされたままにします。

    定義されたパーティションなし

    現在マップされているボリュームがないため、機能パックを適用する前に必要な操作はありません。ホスト・プロトコルを変換した後は、適切な手順に従って、ホスト・パーティションおよびホスト・クラスター (必要な場合) を作成します。

iSCSI から FC/iSCSI への変換

  • ミラーリングに使用されているポートを変換する場合、変換後に iSCSI のままのポートにミラーリング関係を移動する必要があります。

    そうしない場合、ローカル・アレイの新しい FC ポートと、リモート・アレイの既存の iSCSI ポートでプロトコルの不一致が生じるため、変換後に通信リンクがダウンする可能性があります。

  • ミラーリングに使用されていないポートを変換する場合、非同期ミラーリングの動作は影響を受けません。

    機能パックを適用する前に、すべてのミラーリング整合性グループが同期されていることを確認する必要があります。機能パックを適用した後は、ローカル・ストレージ・アレイとリモート・ストレージ・アレイの通信をテストする必要があります。

FC/iSCSI から FC への変換

  • すべてのホスト・ポートを FC に変換する場合、FC での非同期ミラーリングは最も数字の大きい FC ポートで発生させる必要があることに注意してください。
  • ミラーリング関係に使用されているポートを変換する場合、機能パックを適用する前にこれらの関係を非アクティブ化する必要があります。
    重要
    データ損失の可能性 – ポートを FC に変換する前に、iSCSI で発生した非同期ミラーリング関係を削除していない場合、コントローラーがロックされ、データが失われる可能性があります。
  • ストレージ・アレイに iSCSI ベースボード・ポートと FC HIC ポートがある場合、非同期ミラーリングの動作は影響を受けません。

    変換の前後、ミラーリングは最も数字の大きい FC ポートで発生し、図内で 2 のラベルが付いた HIC ポートはそのままになります。機能パックを適用する前に、すべてのミラーリング整合性グループが同期されていることを確認する必要があります。機能パックを適用した後は、ローカル・ストレージ・アレイとリモート・ストレージ・アレイの通信をテストする必要があります。

  • ストレージ・アレイに FC ベースボード・ポートと iSCSI HIC ポートがある場合、機能パックを適用する前に FC で発生するミラーリング関係を削除する必要があります。

    機能パックを適用すると、ミラーリングのサポートは最も数字の大きいベースボード・ホスト・ポート (図内の 1 のラベルが付いたもの) から、最も数字の大きい HIC ポート (図内の 2 のラベルが付いたもの) に移行します。



    変換前変換後必要なステップ
    ベースボード・ポートHIC ポートミラーリングに使用されるポートベースボード・ポートHIC ポートミラーリングに使用されるポート
    iSCSIFCFCFC

    変換前にミラー整合性グループを同期して、変換後に通信をテストします

    FCiSCSIFCFC

    変換前にミラーリング関係を削除して、変換後にミラーリングを再確立します

FC/iSCSI から iSCSI への変換

  • 同期ミラーリングは iSCSI ではサポートされていません。
  • ミラーリング関係に使用されているポートを変換する場合、機能パックを適用する前にミラーリング関係を非アクティブ化する必要があります。
    重要
    データ損失の可能性 – ポートを iSCSI に変換する前に、FC で発生したミラーリング関係を削除していない場合、コントローラーがロックされ、データが失われる可能性があります。
  • ミラーリングに使用されているポートを変換しない場合、ミラーリングの動作は影響を受けません。
  • 機能パックを適用する前に、すべてのミラーリング整合性グループが同期されていることを確認する必要があります。
  • 機能パックを適用した後は、ローカル・ストレージ・アレイとリモート・ストレージ・アレイの通信をテストする必要があります。

FC または iSCSI から NVMe-oF への変換

  • 非同期と同期のミラーリングは、NVMe-RoCE ではサポートされていません。

  • 100Gb RoCE HIC が取り付けられている場合や、NVMe-FC モードの 32Gb FC HIC ではベースボード・ホスト・ポートは無効になります。

同じホスト・プロトコルとミラーリングの動作

機能パックを適用した後、ミラーリングに使用されているホスト・ポートが同じプロトコルのままの場合、ミラーリングの動作は影響を受けません。

その場合でも、機能パックを適用する前に、すべてのミラーリング整合性グループが同期されていることを確認する必要があります。

機能パックを適用した後は、ローカル・ストレージ・アレイとリモート・ストレージ・アレイの通信をテストする必要があります。この操作方法に関して疑問点がある場合は、ThinkSystem System Manager のオンライン・ヘルプを参照してください。

非同期と同期のミラーリングは、NVMe over Fabrics ではサポートされていません。非同期と同期のミラーリングを無効にするには、コマンド・ライン・インターフェースで disable storageArray feature=asyncMirror or disable storageArray feature=syncMirror を実行する必要があります。ミラーリングを無効にする方法の詳細については、CLI コマンド・リファレンス・オンライン・ヘルプの「ストレージ・アレイ機能のミラーリング機能の無効化」コマンドを参照してください。