SSDキャッシュの仕組み
SSD キャッシュ機能は、頻繁にアクセスされるデータ (「ホット」データ) の大部分を待ち時間の小さいソリッド・ステート・ドライブ (SSD) にキャッシュしてシステム・パフォーマンスを動的に高めるコントローラー・ベースのソリューションです。SSDキャッシュは、ホスト読み取りにのみ使用されます。
SSDキャッシュとプライマリ キャッシュ
SSD キャッシュは、コントローラーのダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー (DRAM) のプライマリー・キャッシュと同時に使用するセカンダリー・キャッシュです。
SSDキャッシュとプライマリ キャッシュは動作が異なります。
プライマリ キャッシュの場合、I/O処理ごとにキャッシュ経由でデータをステージングする必要があります。
プライマリー・キャッシュでは、データはホスト読み取りの後 DRAM に保存されます。
SSD キャッシュは、
全体的なシステム・パフォーマンスを向上させるためにキャッシュにデータを配置することが有益であると System Manager が判断した場合のみ使用されます。SSD キャッシュでは、データがボリュームからコピーされ、SSD キャッシュを作成したときに自動的に作成される 2 つの内部 RAID ボリューム (コントローラーごとに 1 つ) に保存されます。
内部 RAID ボリュームは、内部キャッシュ処理の目的で使用されます。これらのボリュームにはアクセスできないか、ユーザー・インターフェースに表示されません。ただし、これらの 2 つのボリュームはストレージ・アレイで許容されるボリュームの合計数にはカウントされません。
SSDキャッシュの使用方法
インテリジェント キャッシングでは、低レイテンシのドライブにデータが配置されるため、以降そのデータに対して要求があった場合の応答速度が大幅に向上します。キャッシュ内にあるデータをプログラムが要求した場合(「キャッシュ ヒット」)、低レイテンシのドライブがそのトランザクションに対応できます。それ以外の場合は、「キャッシュ ミス」が発生し、元の低速ドライブからデータにアクセスする必要があります。キャッシュ ヒット数が増加するほど、全体的なパフォーマンスが向上します。
ホスト プログラムがストレージ アレイのドライブにアクセスすると、データがSSDキャッシュに格納されます。ホスト プログラムが再度同じデータにアクセスすると、データはハード ドライブではなくSSDキャッシュから読み取られます。よくアクセスされるデータはSSDキャッシュに保存されます。ハード ドライブは、SSDキャッシュからデータを読み取ることができない場合にのみアクセスされます。
SSDキャッシュは、データをキャッシュに配置するとシステムの全体的なパフォーマンスを向上できるとSystem Managerが判断した場合にのみ使用されます。
読み取ったデータを処理する必要がある場合、CPUは次の手順を実行します。
DRAMキャッシュをチェックします。
DRAMキャッシュで検出されない場合は、SSDキャッシュをチェックします。
SSDキャッシュで検出されない場合は、ハード ドライブから取得します。データをキャッシュする価値があると判断された場合は、SSDキャッシュにコピーします。
パフォーマンスの向上
最もアクセスされるデータ(ホット スポット)をSSDキャッシュにコピーすると、ハード ディスクの処理効率が向上し、レイテンシが低減され、読み取りと書き込みの速度が向上します。高パフォーマンス SSD を使用して HDD ボリュームのデータをキャッシュすると、I/O パフォーマンスと応答時間が向上します。
SSD キャッシュとの間でデータを移動するには、シンプルなボリューム I/O メカニズムが使用されます。データがキャッシュされて SSD に保存されると、そのデータのその後の読み取りは SSD キャッシュで実行されるため、HDD ボリュームにアクセスする必要がなくなります。
SSDキャッシュとドライブ セキュリティ機能
ドライブ・セキュリティー (セキュア有効) も使用しているボリュームで SSD キャッシュを使用するには、ボリュームと SSD キャッシュのドライブ・セキュリティー機能が一致している必要があります。一致しない場合、ボリュームはセキュア有効になりません。
SSDキャッシュの実装
SSDキャッシュを実装するには、次の処理を実行します。
SSDキャッシュを作成します。
SSDの読み取りキャッシュを実装するボリュームにSSDキャッシュを関連付けます。