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プロセッサーおよびヒートシンクの取り付け

このタスクでは、組み立てられたプロセッサーとヒートシンク (プロセッサー・ヒートシンク・モジュール (PHM) と呼ばれています) の取り付け手順を説明します。この作業には、Torx T30 ドライバーが必要です。この手順は、トレーニングを受けた技術者が行う必要があります。

重要
このタスクは、トレーニングを受けた技術員が操作する必要があります。

このタスクについて

S002
disconnect all power
注意
装置の電源制御ボタンおよびパワー・サプライの電源スイッチは、装置に供給されている電流をオフにするものではありません。デバイスには 2 本以上の電源コードが使われている場合があります。デバイスから完全に電気を取り除くには電源からすべての電源コードを切り離してください。
S011
sharp edge
注意
鋭利な端、角、またはジョイントが近くにあります。

潜在的な危険を回避するために、安全情報を読んで従ってください。

重要
  • 安全に作業を行うために、「取り付けのガイドライン」および「安全検査のチェックリスト」をお読みください。

  • 静電気の影響を受けやすいコンポーネントは取り付け時まで帯電防止パッケージに収め、システム停止やデータの消失を招く恐れのある静電気にさらされないようにしてください。また、このようなデバイスを取り扱う際は静電気放電用リスト・ストラップや接地システムなどを使用してください。

  • 各プロセッサー・ソケットには必ずカバーまたは PHM が取り付けられている必要があります。PHM の取り外しまたは取り付けを行うときは、空のプロセッサー・ソケットをカバーで保護してください。
  • プロセッサー・ソケットまたはプロセッサーの接点に手を触れないでください。プロセッサー・ソケットの接点は非常に壊れやすく、簡単に損傷します。プロセッサー接点の皮膚からの油脂などによる汚れは、接触不良の原因になることがあります。
  • プロセッサーまたはヒートシンクの熱伝導グリースが、何かと接触することのないようにしてください。何らかの面に接触すると、熱伝導グリースが劣化し、効果がなくなるおそれがあります。熱伝導グリースは、プロセッサー・ソケットにある電気コネクターなどのコンポーネントを損傷する可能性があります。
  • PHM の取り外しと取り付けは、一度に 1 つの PHM だけにしてください。
  • システムのヒートシンク、プロセッサー、プロセッサー・キャリアは、図と異なる場合があります。

  • PHM には、それを取り付けるソケットおよびソケット内の向きを決めるしるしがあります。

  • ご使用のサーバーでサポートされているプロセッサーのリストについては、Lenovo ServerProven Web サイトを参照してください。プロセッサー・ボードに取り付けるプロセッサーはすべて、速度、コア数、および周波数が同じでなければなりません。

  • 新しい PHM の取り付けまたはプロセッサーの交換前に、システム・ファームウェアを最新レベルに更新します。ファームウェアの更新

次の図は、PHM のコンポーネントを示しています。
図 1. PHM コンポーネント
PHM components
1 ヒートシンク2 プロセッサー識別ラベル
3 ヒートシンクの三角マーク4 Torx T30 ナット
5 ナットおよびワイヤー・ベイルの固定器具6 反傾斜ワイヤー・ベイル
7 キャリアをヒートシンクに固定するクリップ8 プロセッサー・キャリア・コードのマーキング
9 プロセッサー・キャリア10 プロセッサーをキャリアに固定するクリップ
11 キャリアの三角マーク12 プロセッサー・イジェクター・ハンドル
13 熱伝導グリース14 プロセッサー・ヒート・スプレッダー
15 プロセッサーの三角マーク16 プロセッサーの接点
対応するねじを正しく取り付け、および取り外しできるよう、以下のドライバーを準備してください。
トルク・ドライバー・タイプ・リストねじタイプ
Torx T30 プラス・ドライバーTorx T30 ねじ
ファームウェアとドライバーのダウンロード: コンポーネントの交換後、ファームウェアまたはドライバーの更新が必要になる場合があります。

手順

  1. プロセッサーを交換してヒートシンクを再利用する場合。
    1. プロセッサー識別ラベルをヒートシンクから取り外し、交換用プロセッサーに付属する新しいラベルと交換します。
    2. ヒートシンクに古い熱伝導グリースがある場合は、ヒートシンクの下部にある熱伝導グリースをアルコール・クリーニング・パッドで拭きます。
  2. ヒートシンクを交換してプロセッサーを再利用する場合。
    1. プロセッサー識別ラベルを古いヒートシンクから取り外し、新しいヒートシンクの同じ場所に配置します。
      ラベルを取り外して新しいヒートシンクに配置できない場合、または輸送時にラベルが損傷した場合、ラベルは油性マーカーを使用して配置されるため、新しいヒートシンクの同じ場所あるプロセッサー ID ラベルからのプロセッサーのシリアル番号を書き留めます。
    2. プロセッサーを新しいキャリアに取り付けます。
      図 2. プロセッサー・キャリアの取り付け
      Installing a processor carrier
      交換用ヒートシンクには、異なるプロセッサー・キャリアが付属しています。必ず、廃棄したキャリアと同じキャリア・コード・マークが付いたキャリアを使用してください。
      1. キャリアのハンドルが閉じた状態であることを確認します。

      2. 三角マークが合うように、新しいキャリアのプロセッサーの位置を合わせます。次に、プロセッサーのマークがある側の端をキャリアに挿入します。

      3. プロセッサーの挿入された端を所定の位置にしたまま、キャリアのマークがない端を下に回転させて、プロセッサーから切り離します。

      4. プロセッサーを押して、キャリアのクリップの下のマークが付いていない端を固定します。

      5. キャリアの側面を下に向かって慎重に回転させ、プロセッサーから切り離します。

      6. プロセッサーを押して、キャリアのクリップの下にある側を固定します。

        プロセッサーがキャリアから外れて落ちないようにし、プロセッサーの接点側を上向きにして、キャリアの側面を持ってプロセッサー・キャリア・アセンブリーを支えます。
  3. 熱伝導グリースを塗布します。
    • ヒートシンクを交換してプロセッサーを再利用する場合、新しいヒートシンクに熱伝導グリースが付属しています。新しい熱伝導グリースを塗布する必要はありません。

      最適なパフォーマンスを確保するために、新しいヒートシンクの製造日を確認し、2 年を超えていないことを確認してください。超えている場合、既存の熱伝導グリースを拭き取り、新しい熱伝導グリースを塗布します。
    • プロセッサーを交換してヒートシンクを再利用する場合、以下の手順を実行して熱伝導グリースを塗布します。

      1. ヒートシンクに古い熱伝導グリースがある場合は、熱伝導グリースをアルコール・クリーニング・パッドで拭き取ります。

      2. プロセッサーの接点側を下にして、慎重にプロセッサーおよび配送用トレイのキャリアを置きます。キャリアの三角形のマークが、配送トレイで次の図に示す向きになっていることを確認してください。

      3. 注射器を使用してプロセッサーの上部に熱伝導グリースを塗布します。等間隔で 4 つの点を描くようにし、それぞれの点が熱伝導グリース約 0.1 ml です。

        図 3. 配送トレイのプロセッサーで熱伝導グリースを塗布する
        Thermal grease application with processor in shipping tray
  4. プロセッサーおよびヒートシンクを取り付けます。
    図 4. 配送用トレイのプロセッサーで PHM を取り付けます。
    Assembling the PHM with processor in shipping tray
    1. ヒートシンク・ラベルの三角形のマークを、プロセッサー・キャリアおよびプロセッサーの三角形のマークに合わせます。
    2. ヒートシンクをプロセッサー・キャリアに取り付けます。
    3. 四隅のすべてのクリップがかみ合うまで、キャリアを所定の位置に押し込みます。
  5. プロセッサー・キャリアとヒートシンクの間にすき間がないことを目視で検査します。
    図 5. キャリア・クリップの目視検査
    Visually inspect carrier clips
  6. プロセッサー・ヒートシンク・モジュールをプロセッサー・ボードに取り付けます。
    図 6. 標準 PHM の取り付け
    Installation of standard PHM
    図 7. パフォーマンス PHM の取り付け
    Installation of performance PHM
    参考までに、ねじを完全に締める/取り外すために必要なトルクは、10+/- 2.0 lbf-in、1.1+/- 0.2 N-m です。
    1. 反傾斜ワイヤー・ベイルを内側に回転させます。
    2. PHM の三角マークと 4 本の Torx T30 ナットを、三角マークとプロセッサー・ソケットのねじ付きポストに合わせ、PHM をプロセッサー・ソケットに挿入します。
    3. ソケットのフックに収まるまで、反傾斜ワイヤー・ベイルを外側に回転させます。
    4. ヒートシンク・ラベルに示されている取り付け手順のとおりに Torx T30 ナットを完全に締めます。ねじを止まるまで締めます。次に、ヒートシンクの下のねじ肩とプロセッサー・ソケットの間にすき間がないことを目視で確認します。

終了後

  1. 必要なすべてのケーブルが正しく配線され接続されていることを確認し、トップ・カバーを再度取り付けます (「トップ・カバーの取り付け」を参照)。
  2. シャーシにノードを再度取り付けます (シャーシにノードを取り付ける を参照)。
  3. 必要なパワー・サプライ・ユニットが取り付けられており、電源コードが接続され、ノードの電源が入っていることを確認します (ホット・スワップ・パワー・サプライの取り付けおよび ノードの電源オンを参照)。
  4. 部品交換の完了に進みます (「部品交換の完了」を参照)。