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非同期ミラーリングの仕組み

非同期ミラーリングは、必要に応じて、またはスケジュールに従ってデータ・ボリュームをコピーするため、データの破損や消失によって生じるダウンタイムを最小限に抑えたりなくしたりすることができます。

非同期ミラーリングは、特定の時点におけるプライマリ ボリュームの状態をキャプチャし、前回のイメージ キャプチャ以降に変更されたデータのみをコピーします。プライマリー・サイトはすぐに更新でき、セカンダリー・サイトは帯域幅に応じて更新できます。情報はキャッシュされ、あとからネットワーク リソースが利用可能になったときに送信されます。

このタイプのミラーリングは、ノンストップの操作の必要を満たす場合に適しており、通常はバックアップやアーカイブなどの定期的なプロセスでネットワーク効率がかなり高くなります。非同期ミラーリングを使用する状況としては以下が考えられます。
  • リモート バックアップの統合
  • 局地災害や広域災害に対する保護
  • 本番データのある時点におけるイメージを使用したアプリケーションの開発とテスト

非同期ミラーリング セッション

非同期ミラーリングは、特定の時点におけるプライマリ ボリュームの状態をキャプチャし、前回のイメージ キャプチャ以降に変更されたデータのみをコピーします。非同期ミラーリングを使用すると、プライマリ サイトはただちに更新でき、セカンダリ サイトは帯域幅に余裕があれば更新できます。情報はキャッシュされ、あとからネットワーク リソースが利用可能になったときに送信されます。

アクティブな非同期ミラーリング セッションには大きく分けて4つの手順で実行されます。



  1. まず、プライマリ ボリュームのストレージ アレイで書き込み処理が行われます。

  2. 処理のステータスがホストに返されます。

  3. プライマリ ボリューム上のすべての変更がログに記録され、追跡されます。

  4. すべての変更が、バックグラウンド プロセスとして、セカンダリ ボリュームのストレージ アレイに送信されます。

これらの手順は、定義済みの同期間隔で繰り返されます。また、間隔が定義されていない場合は、手動で繰り返すこともできます。

非同期ミラーリングでは、設定済みの間隔でのみデータがリモート サイトに転送されるため、ローカルI/Oへの影響は低速なネットワーク接続による影響と同程度で済みます。この転送はローカルI/Oには関連付けられていないため、アプリケーションのパフォーマンスに影響はありません。したがって、非同期ミラーリングは、iSCSIのような低速接続を使用して、地理的に離れたローカルとリモートのストレージ システム間で実行することができます。

ミラー整合性グループとミラー ペア

ミラー整合性グループを作成して、ローカル ストレージ アレイとリモート ストレージ アレイの間のミラーリング関係を確立します。非同期ミラーリング関係はミラー ペア(あるストレージ アレイ上のプライマリ ボリュームと別のストレージ アレイ上のセカンダリ ボリューム)で構成されます。

プライマリ ボリュームを含むストレージ アレイは、一般にプライマリ サイトにあり、アクティブなホストに対応します。セカンダリ ボリュームを含むストレージ アレイは、一般にセカンダリ サイトにあり、データのレプリカを格納します。セカンダリ ボリュームには通常、データのバックアップ コピーが含まれていて、ディザスタ リカバリ(災害復旧)に使用されます。

同期の設定

ミラー ペアを作成するときは、同期優先度と再同期ポリシーも定義します。通信が中断した場合、ミラー ペアはこれらを使用して再同期処理を完了します。

ミラー整合性グループを作成するときは、グループ内のすべてのミラー ペアの同期優先度と再同期ポリシーも定義します。ミラー ペアは、同期優先度と再同期ポリシーを使用して、通信の中断後に再同期処理を完了します。

プライマリ ボリュームのストレージ アレイがセカンダリ ボリュームにデータを書き込むことができない場合、ミラー ペアのプライマリ ボリュームとセカンダリ ボリュームは非同期になります。この原因として次の問題が考えられます。

  • ローカル ストレージ アレイとリモート ストレージ アレイ間のネットワークの問題

  • セカンダリ ボリュームの障害

  • ミラー ペアの同期が手動で一時停止されている

  • ミラー グループのロールの競合

リモート ストレージ アレイ上のデータは、手動、自動のどちらでも同期できます。

リザーブ容量と非同期ミラーリング

リザーブ容量は、同期が行われていないときにプライマリ ボリュームとセカンダリ ボリュームの間の差異を追跡するために使用します。各ミラー ペアの同期の統計も追跡します。

ミラー ペアのボリュームごとに専用のリザーブ容量が必要です。

構成と管理

2 つのアレイ間でミラーリングを有効にして構成するには、SAN Manager インターフェースを使用する必要があります。ミラーリングを有効にすると、System Manager でミラーリング・ペアおよび同期設定を管理できます。