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プロセッサーおよびヒートシンクの取り付け

このタスクでは、組み立てられたプロセッサーとヒートシンク (プロセッサー・ヒートシンク・モジュール (PHM) と呼ばれています) の取り付け手順を説明します。この作業には、Torx T30 ドライバーが必要です。この手順は、トレーニングを受けた技術者が行う必要があります。

このタスクについて

重要
  • 安全に作業を行うために、安全検査のチェックリストおよび取り付けのガイドラインをお読みください。

  • 静電気の影響を受けやすいコンポーネントは取り付け時まで帯電防止パッケージに収め、システム停止やデータの消失を招く恐れのある静電気にさらされないようにしてください。また、このようなデバイスを取り扱う際は静電気放電用リスト・ストラップや接地システムなどを使用してください。

  • 各プロセッサー・ソケットには必ずカバーまたは PHM が取り付けられている必要があります。PHM の取り外しまたは取り付けを行うときは、空のプロセッサー・ソケットをカバーで保護してください。

  • プロセッサー・ソケットまたはプロセッサーの接点に手を触れないでください。プロセッサー・ソケットの接点は非常に壊れやすく、簡単に損傷します。プロセッサー接点の皮膚からの油脂などによる汚れは、接触不良の原因になることがあります。

  • プロセッサーまたはヒートシンクの熱伝導グリースが、何かと接触することのないようにしてください。何らかの面に接触すると、熱伝導グリースが劣化し、効果がなくなるおそれがあります。熱伝導グリースは、プロセッサー・ソケットにある電気コネクターなどのコンポーネントを損傷する可能性があります。

  • PHM の取り外しと取り付けは、一度に 1 つの PHM だけにしてください。

  • アルコール・クリーニング・パッド (部品番号 00MP352)、熱伝導グリース、Torx T30 ドライバーを用意してください。

  • プロセッサー・ソケット 1 から PHM の取り付けを始めます。

  1. 計算ノードは、プロセッサー 1 つと一緒に取り付けられる場合は I/O 拡張アダプター 1 個、プロセッサー 2 つと一緒に取り付けられる場合は I/O 拡張アダプターを 2 個サポートします。計算ノードには I/O 拡張アダプターが少なくとも 1 つ取り付けられている必要があります。

  2. 計算ノードの電源をオンにする前に、必ず空のプロセッサー・ソケットにソケット・カバーとフィラーが取り付けられている必要があります。

  3. プロセッサー TDP と計算ノード内の配置に応じてプロセッサー・ヒートシンクを選択します。

    • プロセッサー TDP が 165 ワット以下の場合、前面または背面の標準ヒートシンクを選択します。

    • プロセッサー TDP が 165 ワット超の場合、前面または背面のパフォーマンス・ヒートシンクを選択します。

      Intel Xeon Gold 6334 8c 165W 3.6GHz プロセッサーを使用する場合、パフォーマンス・ヒートシンクを選択します。
  • プロセッサーに関する EDSFF ドライブ・サポート・ガイド:

    • EDSFF ドライブ機能を使用するには、計算ノードに 2 個のプロセッサーを取り付ける必要があります。

    • プロセッサー TDP が 220 ワットを超える場合、EDSFF ドライブ機能はサポートされません。

    • Intel Xeon Gold 6334 8c 165W 3.6GHz プロセッサーが計算ノードに取り付けられている場合、EDSFF ドライブ機能はサポートされません。

下図は、システム・ボード上の PHM の位置を示しています。
図 1. メモリー・モジュールおよびプロセッサー・ソケットの位置
Location of memory modules and processor sockets
表 1. メモリー・モジュールおよびプロセッサーの位置
1 メモリー・モジュール・スロット 9–124 メモリー・モジュール・スロット 1–4
2 プロセッサー・ソケット 25 メモリー・モジュール・スロット 5–8
3 プロセッサー・ソケット 16 メモリー・モジュール・スロット 13–16
次の図は、PHM のコンポーネントを示しています。
図 2. PHM コンポーネント
PHM components
1 ヒートシンク9 キャリアのプロセッサーを固定するクリップ
2 ヒートシンクの三角マーク10 キャリアの三角マーク
3 プロセッサー識別ラベル11 プロセッサー・イジェクター・ハンドル
4 ナットおよびワイヤー・ベイルの固定器具12 プロセッサー・ヒート・スプレッダー
5 Torx T30 ナット13 熱伝導グリース
6 反傾斜ワイヤー・ベイル14 プロセッサーの接点
7 プロセッサー・キャリア15 プロセッサーの三角マーク
8 キャリアをヒートシンクに固定するクリップ 
  • ご使用のシステムのヒートシンク、プロセッサー、プロセッサー・キャリアは、図と異なる場合があります。

  • PHM には、それを取り付けるソケットおよびソケット内の向きを決めるしるしがあります。

  • ご使用のサーバーでサポートされているプロセッサーのリストについては、Lenovo ServerProven Web サイトを参照してください。システムボードに取り付けるプロセッサーはすべて、速度、コア数、および周波数が同じでなければなりません。

  • 新しい PHM の取り付けまたはプロセッサーの交換前に、システム・ファームウェアを最新レベルに更新します。ファームウェアの更新を参照してください。

手順を参照してください
  • YouTubeで取り付けや取り外しの工程をビデオでご覧いただけます。

手順

  1. プロセッサーを交換してヒートシンクを再利用する場合。
    1. プロセッサー識別ラベルをヒートシンクから取り外し、交換用プロセッサーに付属する新しいラベルと交換します。
    2. ヒートシンクに古い熱伝導グリースがある場合は、ヒートシンクの下部にある熱伝導グリースをアルコール・クリーニング・パッドで拭きます。
    その後、ステップ 3 に進んでください。
  2. ヒートシンクを交換してプロセッサーを再利用する場合。
    1. プロセッサー識別ラベルを古いヒートシンクから取り外し、新しいヒートシンクの同じ場所に配置します。ラベルは三角の位置合わせマークに最も近いヒートシンクの側面にあります。
      ラベルを取り外して新しいヒートシンクに配置できない場合、または輸送時にラベルが損傷した場合、ラベルは油性マーカーを使用して配置されるため、新しいヒートシンクの同じ場所あるプロセッサー ID ラベルからのプロセッサーのシリアル番号を書き留めます。
    2. プロセッサーを新しいキャリアに取り付けます。
      交換用のヒートシンクには、グレーと黒の両方のプロセッサー・キャリアが付属しています。前に破棄したものと同じカラーのキャリアを使用してください。
      1. キャリアのハンドルが閉位置にあることを確認します。

      2. 三角マークが合うように、新しいキャリアにプロセッサーを位置合わせし、プロセッサーのマークがある側の端をキャリアに挿入します。

      3. プロセッサーの挿入された端を所定の位置にとどめ、キャリアのマークがない端を下に回転させ、プロセッサーから取り外します。

      4. プロセッサーを押し、キャリアのクリップの下のマークが付いていない端を固定します。

      5. キャリアの側面を下に向かって慎重に回転させ、プロセッサーから離します。

      6. プロセッサーを押し、キャリアのクリップの下の端を固定します。

        プロセッサーがキャリアから外れて落ちないようにし、プロセッサーの接点側を上向きにして、キャリアの側面を持ってプロセッサー・キャリア・アセンブリーを支えます。
      図 3. プロセッサー・キャリアの取り付け
      Processor carrier installation
  3. 熱伝導グリースを塗布します。
    1. プロセッサーの接点側を下にして、慎重にプロセッサーおよび配送用トレイのキャリアを置きます。キャリアの三角形のマークが、配送トレイ内の三角形のマークと合っていることを確認してください。
    2. プロセッサー上に古い熱伝導グリースがついている場合は、アルコール・クリーニング・パッドを使用して、慎重にプロセッサーの上部を拭ってください。
      新しい熱伝導グリースを適用する前に、アルコールが完全に蒸発していることを確認してください。
    3. 注射器を使用してプロセッサーの上部に熱伝導グリースを塗布します。等間隔で 4 つの点を描くようにし、それぞれの点が熱伝導グリース約 0.1 ml です。
      図 4. 配送トレイのプロセッサーで熱伝導グリースを塗布する
      Thermal grease application with processor in shipping tray
  4. プロセッサーおよびヒートシンクを取り付けます。
    1. ヒートシンクを裏返して平らな面に置きます。
    2. プロセッサーの接点側を上向きにして、キャリアの側面を持ってプロセッサー・キャリア・アセンブリーを支えます。
    3. プロセッサー・キャリアおよびプロセッサーの三角形のマークを、ヒートシンクの三角形のマークまたは切り欠きに合わせます。
    4. プロセッサー・キャリア・アセンブリーをヒートシンクに取り付けます。
    5. 四隅のすべてのクリップがかみ合うまで、キャリアを所定の位置に押し込みます。
    図 5. PHM の組み立て
    Assembling the PHM
  5. プロセッサー・ヒートシンク・モジュールをシステム・ボード・ソケットに取り付けます。
    1. ヒートシンクを裏返します。ヒートシンクを内側にして反傾斜ワイヤー・ベイルを回転させます。
    2. PHM の 三角マークと 4 個のTorx T30 ナットを三角マークとプロセッサー・ソケットのねじ付きポストに合わせ、PHM をプロセッサー・ソケットに挿入します。
    3. ソケットのフックに収まるまで、反傾斜ワイヤー・ベイルを外側に回転させます。
    4. ヒートシンク・ラベルに示されている取り付け順序で Torx T30 ナットを完全に締めます。ねじを止まるまで締めます。次に、ヒートシンクの下のねじ肩とプロセッサー・ソケットの間にすき間がないことを目視で確認します。(参考までに、ナットを完全に締めるために必要なトルクは 1.1 ニュートン・メートル、10 インチ・ポンドです)。
    図 6. PHM の取り付け
    PHM installation

終了後

  1. 計算ノードの電源をオンにする前に、必ず空のプロセッサー・ソケットにソケット・カバーとフィラーが取り付けられている必要があります。

  2. 部品交換の完了に進みます。部品交換の完了を参照してください。