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プロセッサーおよびヒートシンクの取り付け

このタスクでは、組み立てられたプロセッサーとヒートシンク (プロセッサー・ヒートシンク・モジュール (PHM) と呼ばれています) の取り付け手順を説明します。この作業には、Torx T30 ドライバーが必要です。この手順は、トレーニングを受けた技術者が行う必要があります。

このタスクについて

重要
  • 安全に作業を行うために、取り付けのガイドラインおよび 安全検査のチェックリストをお読みください。

  • サーバーと周辺機器の電源をオフにし、電源コードとすべての外部ケーブルを取り外します。サーバーの電源をオフにするを参照してください。

  • 静電気の影響を受けやすいコンポーネントは取り付け時まで帯電防止パッケージに収め、システム停止やデータの消失を招く恐れのある静電気にさらされないようにしてください。また、このようなデバイスを取り扱う際は静電気放電用リスト・ストラップや接地システムなどを使用してください。

  • 各プロセッサー・ソケットには必ずカバーまたは PHM が取り付けられている必要があります。PHM の取り外しまたは取り付けを行うときは、空のプロセッサー・ソケットをカバーで保護してください。

  • プロセッサー・ソケットまたはプロセッサーの接点に手を触れないでください。プロセッサー・ソケットの接点は非常に壊れやすく、簡単に損傷します。プロセッサー接点の皮膚からの油脂などによる汚れは、接触不良の原因になることがあります。

  • プロセッサーまたはヒートシンクの熱伝導グリースが、何かと接触することのないようにしてください。何らかの面に接触すると、熱伝導グリースが劣化し、効果がなくなるおそれがあります。熱伝導グリースは、プロセッサー・ソケットにある電気コネクターなどのコンポーネントを損傷する可能性があります。

  • PHM の取り外しと取り付けは、一度に 1 つの PHM だけにしてください。システムで複数のプロセッサーがサポートされている場合は、最初のプロセッサー・ソケットから PHM の取り付けを開始します。

  • ご使用のシステムのヒートシンク、プロセッサー、プロセッサー・キャリアは、図と異なる場合があります。

  • PHM には、それを取り付けるソケットおよびソケット内の向きを決めるしるしがあります。

  • ご使用のサーバーでサポートされているプロセッサーのリストについては、Lenovo ServerProven Web サイトを参照してください。プロセッサーはすべて、速度、コア数、および周波数が同じでなければなりません。

  • 新しい PHM の取り付けまたはプロセッサーの交換前に、システム・ファームウェアを最新レベルに更新します。ファームウェアの更新を参照してください。

次の図は、PHM のコンポーネントを示しています。
図 1. PHM コンポーネント
PHM components
1 ヒートシンク9 キャリアのプロセッサーを固定するクリップ
2 ヒートシンクの三角マーク10 プロセッサー・イジェクター・ハンドル
3 プロセッサー識別ラベル11 キャリアの三角マーク
4 ナットおよびワイヤー・ベイルの固定器具12 プロセッサー・ヒート・スプレッダー
5 Torx T30 ナット13 熱伝導グリース
6 反傾斜ワイヤー・ベイル14 プロセッサーの接点
7 プロセッサー・キャリア15 プロセッサーの三角マーク
8 キャリアをヒートシンクに固定するクリップ 
ファームウェアとドライバーのダウンロード: コンポーネントの交換後、ファームウェアまたはドライバーの更新が必要になる場合があります。

手順

  1. プロセッサー識別ラベルを記録します。
    • プロセッサーを交換してヒートシンクを再利用する場合、ヒートシンクからプロセッサー識別ラベルを取り外し、交換用プロセッサーに付属している新しいラベルと交換します。
    • ヒートシンクを交換してプロセッサーを再利用する場合、プロセッサー ID ラベルを古いヒートシンクから取り外し、新しいヒートシンクの同じ場所に配置します。
      ラベルを取り外して新しいヒートシンクに配置できない場合、または輸送時にラベルが損傷した場合、ラベルは油性マーカーを使用して配置されるため、新しいヒートシンクの同じ場所あるプロセッサー ID ラベルからのプロセッサーのシリアル番号を書き留めます。
  2. プロセッサーを新しいキャリアに取り付けます。
    • プロセッサーを交換してヒートシンクを再利用する場合、新しいプロセッサーに付属の新しいキャリアを使用します。
    • ヒートシンクを交換してプロセッサーを再利用する場合、および新しいヒートシンクに 2 つのプロセッサー・キャリアが付属している場合、必ず廃棄したキャリアと同じタイプのキャリアを使用してください。
    図 2. プロセッサー・キャリアの取り付け
    Installing a processor carrier
    1. キャリアのハンドルが閉じた状態であることを確認します。
    2. 三角マークが合うように、新しいキャリアのプロセッサーの位置を合わせます。次に、プロセッサーのマークがある側の端をキャリアに挿入します。
    3. プロセッサーの挿入された端を所定の位置にしたまま、キャリアのマークがない端を下に回転させて、プロセッサーから切り離します。
    4. プロセッサーを押して、キャリアのクリップの下のマークが付いていない端を固定します。
    5. キャリアの側面を下に向かって慎重に回転させ、プロセッサーから切り離します。
    6. プロセッサーを押して、キャリアのクリップの下にある側を固定します。
      プロセッサーがキャリアから外れて落ちないようにし、プロセッサーの接点側を上向きにして、キャリアの側面を持ってプロセッサー・キャリア・アセンブリーを支えます。
  3. 熱伝導グリースを塗布します。
    • ヒートシンクを交換してプロセッサーを再利用する場合、新しいヒートシンクに熱伝導グリースが付属しています。新しい熱伝導グリースを塗布する必要はありません。
      最適なパフォーマンスを確保するために、新しいヒートシンクの製造日を確認し、2 年を超えていないことを確認してください。超えている場合、既存の熱伝導グリースを拭き取り、新しい熱伝導グリースを塗布します。
    • プロセッサーを交換してヒートシンクを再利用する場合、以下の手順を実行して熱伝導グリースを塗布します。
      1. ヒートシンクに古い熱伝導グリースがある場合は、熱伝導グリースをアルコール・クリーニング・パッドで拭き取ります。
      2. プロセッサーの接点側を下にして、慎重にプロセッサーおよび配送用トレイのキャリアを置きます。キャリアの三角形のマークが、配送トレイで次の図に示す向きになっていることを確認してください。
      3. 注射器を使用してプロセッサーの上部に熱伝導グリースを塗布します。等間隔で 4 つの点を描くようにし、それぞれの点が熱伝導グリース約 0.1 ml です。
        図 3. 配送トレイのプロセッサーで熱伝導グリースを塗布する
        Thermal grease application with processor in shipping tray
  4. プロセッサーおよびヒートシンクを取り付けます。
    図 4. 配送用トレイのプロセッサーで PHM を取り付けます。
    Assembling the PHM with processor in shipping tray

    Visually inspect to make sure that clips at all four corners fully engage
    1. ヒートシンク・ラベルの三角形のマークを、プロセッサー・キャリアおよびプロセッサーの三角形のマークに合わせます。
    2. ヒートシンクをプロセッサー・キャリアに取り付けます。
    3. 四隅のすべてのクリップがかみ合うまで、キャリアを所定の位置に押し込みます。プロセッサー・キャリアとヒートシンクの間にすき間がないことを目視で検査します。
  5. プロセッサー・ヒートシンク・モジュールをプロセッサー・ソケットに取り付けます。
    • プロセッサーの下部にある接点には触れないでください。
    • 破損の恐れがありますので、プロセッサー・ソケットはいかなる物質にも汚されない状態にしてください。
    図 5. 3U PHM の取り付け
    3U PHM installation
    1. 反傾斜ワイヤー・ベイルを内側に回転させます。
    2. PHM の 三角マークと 4 個のTorx T30 ナットを三角マークとプロセッサー・ソケットのねじ付きポストに合わせ、PHM をプロセッサー・ソケットに挿入します。
    3. ソケットのフックに収まるまで、反傾斜ワイヤー・ベイルを外側に回転させます。
    4. ヒートシンク・ラベルに示されている取り付け順序で Torx T30 ナットを完全に締めます。ねじを止まるまで締めます。次に、ヒートシンクの下のねじ肩とプロセッサー・ソケットの間にすき間がないことを目視で確認します。(参考までに、ナットを完全に締めるために必要なトルクは 0.9 ニュートン・メートル、8 インチ・ポンドです)。

終了後

  1. 上段のプロセッサー・ボード (CPU BD) の PHM を交換している場合は、以下を再び取り付けます。
    1. 上段のプロセッサー・ボード (CPU BD) エアー・バッフルを再び取り付けます。上段のプロセッサー・ボード (CPU BD) エアー・バッフルの取り付けを参照してください。
    2. 前面トップ・カバーを再び取り付けます。前面トップ・カバーの取り付けを参照してください。
  2. 下段のプロセッサー・ボード (MB) の PHM ドライブを交換している場合は、以下を再び取り付けます。
    1. 下段のプロセッサー・ボード (MB) エアー・バッフルを再び取り付けます。下段のプロセッサー・ボード (MB) エアー・バッフルの取り付けを参照してください。
    2. 上段のプロセッサー・ボード (CPU BD) を再び取り付けます。上段のプロセッサー・ボード (CPU BD) の取り付けを参照してください。
    3. 上段のプロセッサー・ボード (CPU BD) エアー・バッフルを再び取り付けます。上段のプロセッサー・ボード (CPU BD) エアー・バッフルの取り付けを参照してください。
    4. 前面トップ・カバーを再び取り付けます。前面トップ・カバーの取り付けを参照してください。
  3. 部品交換を完了します。部品交換の完了を参照してください。

デモ・ビデオ

YouTube で手順を参照