WinPE およびタスク・シーケンスの問題のトラブルシューティング
WinPE およびタスク・シーケンスに関するいくつかの一般的な問題と、それらのトラブルシューティング方法についての情報を示します。
WinPE がタスク・シーケンスを開始しない
X:\windows\temp\smstslog\smsts.log に SMSTS.LOG ファイルかあるかを確認します。パッケージがダウンロードされない場合、適切なネットワーク・ドライバーがインストールされていないことが考えられます。そのため、サーバーが Configuration Manager と通信できません。
ドライバー・カタログで、使用可能な正しいネットワーク・ドライバーがあり、ブート・イメージにインストールされていることを確認し、ブート・イメージを配布ポイントに更新します。
WinPE ブートが正常に機能するようにするために、ブート・イメージに追加のネットワーク・ドライバーまたはストレージ・ドライバーが必要な場合があります。それらのドライバーを、オペレーティング・システム・デプロイメント・ノードの「Drivers (ドライバー)」から追加します。
正しいドライバーがブート・イメージに追加されたがロードされない
Configuration Manager のインストール時に作成されたオリジナルの boot.wim ファイル (WinPE ブート・イメージ) は、コピーされ、Lenovo 固有のドライバーおよびその他のファイルを使用して変更されます。Lenovo Deployment Pack を使用するタスク・シーケンスでは、このブート・イメージを使用する必要があります。あるいは、ツールが正しく機能していない可能性があります。
ドライバーをロードしたイメージが、タスク・シーケンスで使用されるイメージと同一であることを確認してください。
このエラーは、複数のブート・イメージを保守する管理者には一般的です。
サーバーが PXE を使用してブートしない
PXE は DHCP の拡張で、ブロードキャスト・タイプの通信を使用します。ブロードキャスト通信は、標準のタイムアウト値を使用しており、この値を容易に変更することはできません。その結果、コンピューターは、DHCP または PXE の応答の受信をデフォルトの時間フレームが経過するまで待ってからタイムアウトになり、障害状態になります。
サーバーは、リブートするたびにスイッチとの接続を再ネゴシエーションする必要があります。一部のネットワーク・スイッチは、接続の遅延が発生する可能性があるデフォルト設定で構成されて出荷されます。その場合、スイッチの設定が原因で DHCP または PXE が時間内に接続をネゴシエーションできないためにタイムアウトになる可能性があります。
この問題によって影響を受ける可能性がある機能の 1 つに、スパンニング・ツリー・プロトコル (STP) があります。STP は、ネットワーク内でループを回避し、冗長性を提供するプロトコルです。このアルゴリズムを使用するネットワーク・デバイスでは、他のネットワーク・デバイスに関する情報を収集する際に待ち時間が発生する場合があります。この期間中に、サーバーが PXE からブートして、Windows Deployment Services からの応答を待っている間にタイムアウトになる可能性があります。STP を無効にするか、ターゲット・サーバーのエンド・ノード・ポートで PortFast を有効にすることで、そのような問題が発生することを回避できます。詳しくは、製造元のユーザーズ・ガイドを参照してください。
この問題によって影響を受ける可能性がある他の機能には、イーサチャネル・プロトコルまたはポート・アグリゲーション・プロトコル (PAgP) があります。イーサチャネルは、デバイス間の複数のリンクを 1 つの高速リンクとして動作させ、リンク間の負荷を共有することを可能にします。イーサチャネル・プロトコルを自動モードで実行すると、最大 15 秒間の接続の遅延が発生する可能性があります。遅延を回避するには、この機能を手動モードに切り替えるか、オフにします。
速度および二重ネゴシエーションもネゴシエーション・タイムアウトの原因となる可能性があります。スイッチ上の自動ネゴシエーションがオフに設定されており、サーバーがその速度および二重設定に構成されていない場合、スイッチはそのサーバーとネゴシエーションしません。
有効なドライブが存在していてもデフォルト・ブート順序で PXE ブートが許可されない
ハードディスク・ドライブ上にアクティブ・パーティションが作成されている場合、有効なオペレーティング・システムがインストールされていれば、自動的にブート可能デバイスになります。PXE NIC のブート順序がハードディスク・ドライブの後になっていると、PXE の前にハードディスク・ドライブからのブートが試行され、Windows がブートされるか、あるいは Windows がインストールされていない場合は「Invalid System Partition」エラーが発生します。
この問題を解決するには、必ず PXE のブート順序をハードディスク・ドライブより前にします。PXE のブート順序が最初であっても、Configuration Manager に実行用のタスク・シーケンスがなければ、コンピューターが実際に PXE からブートすることはないことに留意してください。
タスク・シーケンスが「Failed to Download Policy」およびコード 0x80093102 または 0x80004005 で失敗する
このエラー・コードは、通常、証明書の妥当性検査の問題を参照しています。
CryptDecryptMessage (&DecryptParams, pbEncrypted, nEncryptedSize, 0, &nPlainSize, 0), HRESULT=80093102
no cert available for policy decoding (ポリシーのデコード用の証明書がありません)
- ドメインまたはサイト・サーバーが正しく構成されていない。たとえば、DNS がサイト・サーバーを指していない、あるいはサイト・サーバーが有効な FQDN (DNS リストで参照されます) を指定していない場合などがあります。
サイト・サーバーが FQDN を指定せずに (NETBIOS 名のみを指定しており)、DNS サーバーが FQDN を参照している場合、検索の失敗によってこのエラーが発生する場合があります。
- PXE およびブート・メディアに証明書が使用されている。
サイト設定ノードで証明書で、ブロックされている証明書や欠落している証明書がないかを確認します。証明書を開き、それらの証明書が証明書ストアに実際にインストールされていることを確認します。インストールされていない場合は、インストールしてください。
これらのアクションで問題が解決しない場合は、配布ポイントからパッケージを削除し (「Manage Distribution Points (配布ポイントの管理)」を使用)、そのパッケージを再追加してパッケージ・ハッシュを再生成します。
タスク・シーケンスが「Failed to Download Policy」およびコード 0x80004005 で失敗する
このエラー・コードは、通常、証明書の妥当性検査の問題を参照しています。
SMSTS.LOG
failed to download policy (ポリシーのダウンロードに失敗しました)
「Site Settings (サイト設定)」ノードの証明書で、ブロックされている証明書や欠落している証明書がないかを確認します。証明書を開き、それらの証明書が証明書ストアにインストールされていることを確認します。インストールされていない場合は、その証明書をインストールしてください。
パッケージがダウンロードされないためにタスク・シーケンスが失敗する
WinPE では、デフォルト・オプション「Download content locally when needed by running task sequence (実行中のタスク・シーケンスで必要になったときに、ローカルでコンテンツをダウンロードする)」は機能しません。WinPE では、タスク・シーケンス・エンジンは、このオプション用に設定されたパッケージを持つすべてのアクションを無視します (アクションは失敗します)。
WinPE で使用するために必要なすべてのパッケージを「Access content directly from a distribution point when needed by the running task sequence (実行中のタスク・シーケンスで必要になったときに、配布ポイントからコンテンツに直接アクセスする)」に設定します。
PXE アドバタイズメントを消去してもタスク・シーケンスが再実行されない
PXE アドバタイズメントをいつでもリセットできるようにするには、アドバタイズメントを「Always rerun (常に再実行する)」に設定する必要があります。アドバタイズメントは、以前にタスク・シーケンスを実行したかどうかに関係なく、コンピューターに適用されます。
アップグレード後にタスク・シーケンスが失敗する、または正しく動作しない
この製品の以前のバージョンからアップグレードする際に、カスタム・アクションを使用する既存のタスク・シーケンスは、自動的に更新されません。
正しく機能するには、カスタム・アクションを使用する各タスク・シーケンス・アクションをエディターで開きます。そして、記述に「.」を追加してから削除し、「Apply (適用)」ボタンを有効にします。「Apply (適用)」をクリックすると、カスタム・アクションのプロパティが最新表示され、新規の自動データまたは新しいバージョンで機能するために必要なフォーマットが保存されます。
クライアントからファイルおよびログが返されない
タスク・シーケンスでファイルやログがクライアントから返されない原因としては、多くの問題が考えられます。
- ファイル・コピーの前にクライアント側のスクリプトが失敗する (通常はログ・ファイルに明記されます)。
「Enable command support (コマンド サポートを有効にする)」のチェック・ボックスを選択していた場合は、タスクを繰り返し、タスク中に 「F8」 を押してコマンド・プロンプトを表示します。
ページで次に、SMSTS.LOG ファイルを開きます。ロケーションはさまざまです。PXE 経由の WinPE では、ロケーションは X:\Windows\Temp\Smstslog\smsts.log です。
- Lenovo Deployment Pack 構成ファイルの XML に誤りがある。オリジナルのフォーマットに従って XML ファイルを訂正してください。
- 実行中のコマンドにエラーがあるが、コード 0 で終了する。
スクリプトがエラーを無視するように設定されており、プラグラム化されたエラー処理を使用している場合に、スクリプトで重大エラーが発生するとこの問題が起きる可能性があります。エラー処理で同じエラーは検出されていません。
このような問題は、ヘルプおよび技術サポートの入手の説明に従って、Lenovo サポート・サイトに連絡してください。
- タスク・シーケンスが、ファイルまたはログをコピーするターゲット・ドライブである共有ドライブあるいはマップ済みドライブにアクセスできない。ネットワークが接続されていること、および共有にアクセスするために必要なユーザー ID とパスワードが正しいことを確認してください。
ログは返されるが出力ファイルが返されない
タスク・シーケンスがログ・ファイルを返す一方で、出力ファイルを返さない原因としては、多くの問題が考えられます。
- 構成 XML でファイル返信パラメーターが指定されていない。
- 構成 XML のファイル返信パラメーターが誤っている。
- 出力ファイルを生成するユーティリティーの操作でエラーが発生した。
- NULL 変数が原因で、返されるファイルのファイル名にエラーが発生した。
構成 XML ファイルの変更後にタスク・ステップが自動的に変更されない
構成 XML ファイルを変更した場合、既存のタスク・ステップは、ユーザーが編集するまで自動的に変更されることはありません。
既存のタスク・ステップを修正するには、タスク・シーケンス・エディターを開き、シーケンス内の各カスタム・アクション・ステップを小さく編集します。たとえば、記述にピリオド (.) を追加してから削除することで、「Apply (適用)」ボタンを有効にできます。「Apply (適用)」をクリックします。これで、新規の XML ファイルから自動的に更新された情報を使用して、タスク・シーケンス・ステップが保存されました。
タスク・シーケンスの「オペレーティング システムの適用」が「Failed to make volume X: bootable」で失敗する
MakeVolumeBootable( pszVolume ),
HRESULT=80004005
(e:\nts_sms_fre\sms\client\osdeployment\applyos\installcommon.cpp,759)
Failed to make volume E:\ bootable. (ボリューム E:\ bootable の作成に失敗しました。)
Please ensure that you have set an active partition on the boot
disk before installing the operating system. (オペレーティング システムをインストールする前に、ブート
ディスクにアクティブ パーティションを設定していることを確認してください。)
Unspecified error (Error: 80004005; Source: Windows) (不明なエラー (Error: 80004005; Source: Windows))
ConfigureBootVolume(targetVolume),
HRESULT=80004005
(e:\nts_sms_fre\sms\client\osdeployment\applyos\applyos.cpp,326)
Process completed with exit code 2147500037 (プロセスは終了コード 2147500037 で完了しました。)
このエラーは、いくつかの問題が原因で発生します。
- タスク・シーケンスで「Format & Partition (フォーマットとパーティション作成)」アクションを使用してハードディスク・ドライブのパーティションを作成している場合は、必ずパーティションの 1 つで「Make this the boot partition (ブート パーティションにする)」のチェック・ボックスを選択してください。
ドライブをブート可能にしないと、コンピューターに単一のドライブしかない場合、タスク・シーケンス・エンジンは、パーティションの 1 つを自動的にブート・パーティションにします。ただし、複数のドライブがある場合は、タスク・シーケンス・エンジンがどのドライブをブート可能にするべきかを判別できないため、このエラーが表示されます。
- Configuration Manager RTM から SP1 にアップグレードした場合、両方のハードディスク・ドライブが完全にローである場合は問題が発生する可能性があります。そのドライブでパーティションを作成したことがない場合、Windows PE の既知のバグによって、Windows PE がどのドライブからブートされたかを判別することができず、このエラーが表示されます。
この状態は、複数の RAID セットを形成したばかりの RAID コントローラーを搭載したサーバーの状態と似ています。新規の RAID セットは、過去に存在していなかったため、完全にローです。
複数のロー・ドライブの問題の唯一の回避策は、手動で Windows PE からブートして diskpart を実行し、1 つ以上のドライブでパーティションを作成することです。その後、タスク・シーケンスを再実行します。タスク・シーケンスは正しく作動するはずです。
Windows PE の既知の問題は、Windows Vista SP1 および Vista SP1 から派生した Windows PE では修正されています。
- ブート・イメージが Vista SP1 にアップグレードされているかを確認する方法
- ブート・イメージ・プロパティには、OS バージョンの識別子が含まれています。ブート・イメージ内の WinPE のバージョンを確認するには、以下の手順を実行します。
- をクリックします。
- ブート・イメージを右クリックして、「Properties (プロパティ)」を選択します。
- 「Images (イメージ)」をクリックします。
- 値が 6.0.6001.18000 以上の OS バージョン・プロパティがあるかどうかを確認します。
- ブート・イメージが Vista SP1 にアップグレードされない場合に行うこと
- Windows AIK および以下のステップ (Microsoft System Center – Configuration Manager にブート イメージを追加する方法 にリストされています) を使用して、ブート・イメージを手動で再作成することができます。ご使用の Configuration Manager プロセスで許可されている場合、管理コンソールを使用して古いブート・イメージ・パッケージを削除したり、ディレクトリー内のファイルを削除したり、SP1 アップグレード・インストールを再実行したりすることが、容易になる可能性があります。
OSD\boot
- WAIK が Vista SP1 にアップグレードされているかを確認する方法
- Regedit コマンドを実行します。 をクリックし、
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ComponentStudio に移動します。
- このキーの下には 1 つのキーがあるはずです。そのキーは、Windows AIK バージョンの数値で名前が付けられています。注インストールすることができる Windows AIK のバージョンは 1 つだけです。ただし、アンインストール操作がレジストリー・キーの削除に失敗した可能性があります。
そのような場合は、最も大きい数値のレジストリー・キーが正しいバージョン番号であるはずです。
- Windows AIK が Vista SP1 にアップグレードされない場合に行うこと
- Configuration Manager は、通常は Configuration Manager SP1 へのアップグレード中に Windows AIK のバージョンを自動的にアップグレードします。これが行われなかった場合、Windows AIK を手動でアンインストールし、Configuration Manager SP1 アップグレードを再実行してください。
Windows AIK をダウンロードするには、Microsoft System Center – Windows Vista SP1 および Windows Server 2008 用の自動インストール・キット (AIK) ページを参照してください。
システム環境変数は、タスク・シーケンスの次のアクションに持ち越されません。
タスク・シーケンスを実行する場合、コマンドはコマンド・シェルで実行されます。タスクが終了するとコマンド・シェル環境も終了するため、そのタスクで定義されたシステム変数はすべて失われます。
タスク間で変数を受け渡すには、その変数をタスク・シーケンス変数、コレクション変数、またはマシン変数として設定します。