SSDキャッシュ統計の表示
show ssdCacheコマンドは、SSDキャッシュの使用状況に関するデータを表示します。
対応アレイ
このコマンドは、DE2000H、DE4000H、DE6000H の個々のストレージ・アレイに適用されます。
ロール
このコマンドをストレージ・アレイに対して実行するには、Storage Admin または Storage Monitor ロールが必要です。
構文
show ssdCache [<var id="GUID-8891606A-4EDC-4351-9B1B-D5EBC6B34982__V1427489" className="keyword varname">ssdCacheName</var>] [ssdCacheStatistics]
[controller=(<span className="ph">a</span>|<span className="ph">b</span>|both)]
[file="<var id="GUID-8891606A-4EDC-4351-9B1B-D5EBC6B34982__V1585186" className="keyword varname">filename</var>"]
パラメーター
パラメーター | 説明 |
---|---|
ssdCache | 情報を取得するSSDキャッシュの名前。SSDキャッシュ名は角かっこ ([ ]) で囲みます。SSDキャッシュ名に特殊文字または数字が含まれている場合は、SSDキャッシュ名を二重引用符 (" ") で囲んだ上で角かっこで囲む必要があります。 |
ssdCacheStatistics | キャッシュ統計の取得を指示する show ssdCache コマンドのオプションのパラメーター。 |
controller | SSDキャッシュ・メタデータは、それぞれが所有するボリュームについて各コントローラーに格納されています。このため、SSDキャッシュ統計はコントローラーごとに管理および表示されます。有効なコントローラー識別子は、 a 、 b 、または both で、 a はスロットAのコントローラー、 b はスロットBのコントローラー、 both は両方のコントローラーです。コントローラーの識別子は角かっこ ([ ]) で囲みます。コントローラーを指定しない場合のデフォルト値は both です。 |
file | SSDキャッシュ統計の保存先となるファイル・パスとファイル名。ファイルには、画面に出力される以外の統計も保存されます。 ファイル名は二重引用符 (" ") で囲みます。次に例を示します。 file="C:\Program Files\CLI\logs\ssdcachestats.csv" . 任意のファイル名を使用できますが、拡張子は .csv にする必要があります。 |
注記
画面に表示される統計は次のとおりです。
- Reads - SSDキャッシュが有効なボリュームに対するホストの読み取りの合計数。
読み取り数を書き込み数と比較します。効率的なSSDキャッシュ処理には、読み取り数が書き込み数より多いことが必要です。書き込みに対する読み取りの比率が大きいほど、キャッシュ処理が向上します。
- Writes - SSDキャッシュが有効なボリュームに対するホストの書き込みの合計数。
- Cache Hits - キャッシュ・ヒットの数。
- Cache Hits (%) - キャッシュ・ヒットの数を読み取り処理の合計数で割った値。
効果的なSSDキャッシュ処理には、キャッシュ・ヒットの割合が50%より高いことが必要です。この値が小さい場合は、次のような理由が考えられます。
書き込みに対する読み取りの比率が小さすぎる
読み取りが繰り返されない
キャッシュ容量が小さすぎる
注start ssdCache [ssdCacheName] performanceModeling コマンドを使用すると、最適な SSD キャッシュ容量を判別できます。
- Cache Allocation (%) - 割り当てられているSSDキャッシュ・ストレージの量。このコントローラーで使用可能なSSDキャッシュ・ストレージの割合として表されます。割り当てられているバイト数を使用可能なバイト数で割った値です。
キャッシュ割り当ての割合は、通常は100%と表示されます。この数値が100%未満の場合は、キャッシュがウォームアップされていないか、アクセスされているすべてのデータよりもSSDキャッシュ容量が大きいことを意味します。後者の場合、SSDキャッシュ容量を小さくしても同レベルのパフォーマンスが得られる場合があります。この値は、キャッシュされたデータがSSDキャッシュに配置されたことを示しているわけではなく、SSDキャッシュにデータを配置可能となる前の準備手順にすぎません。
- Cache Utilization (%) - 有効なボリュームのデータが格納されているSSDキャッシュ・ストレージの量。割り当てられているSSDキャッシュ・ストレージの割合として表されます。この値はSSDキャッシュの利用率または密度を表し、 ユーザー・データのバイト数を割り当てられたバイト数で割った値です。
キャッシュ利用率の割合は、通常は100%より小さく、多くの場合はるかに小さくなります。この数値は、SSDキャッシュ容量のうち、キャッシュ・データが書き込まれている割合を示します。この数値が100%より小さくなる理由は、SSDキャッシュの各割り当て単位 (SSDキャッシュ・ブロック) はサブブロックと呼ばれる小さい単位に分割され、そこにデータがある程度独立して書き込まれるためです。この数値は大きいほうが一般的には良いものの、小さい数値でもパフォーマンスが著しく向上する場合があります。
ファイルには、画面に出力される統計に加えて以下の情報も保存されます。
- Read Blocks - ホスト読み取りのブロック数。
- Write Blocks - ホスト書き込みのブロック数。
- Full Hit Blocks - ブロック・キャッシュ・ヒットの数。
この値は、SSDキャッシュから完全に読み込まれたブロックの数を示します。SSDキャッシュがパフォーマンスの向上に効果があるのは、完全キャッシュ・ヒットである処理に対してのみです。
- Partial Hits - すべてのブロックではなく、少なくとも1つのブロックがSSDキャッシュ内にあったホスト読み取りの数。これはSSDキャッシュ ミスで、ベース・ボリュームから読み取りが行われた場合に発生します。
部分キャッシュ・ヒットと部分キャッシュ・ヒット・ブロックは、SSDキャッシュ内にデータの一部しかない処理の結果として発生します。この場合、キャッシュされているHDDボリュームからデータを取得する必要があります。このタイプのヒットの場合、SSDキャッシュから得られるパフォーマンス上のメリットはありません。部分キャッシュ・ヒット・ブロック数が完全キャッシュ・ヒット・ブロック数より多い場合は、別のI/O特性タイプ (ファイルシステム、データベース、またはWebサーバ) を使用するとパフォーマンスが向上する可能性があります。
- Partial Hits – Blocks - [Partial Hits]のブロック数。
部分キャッシュ・ヒットと部分キャッシュ・ヒット・ブロックは、SSDキャッシュ内にデータの一部しかない処理の結果として発生します。この場合、キャッシュされているHDDボリュームからデータを取得する必要があります。このタイプのヒットの場合、SSDキャッシュから得られるパフォーマンス上のメリットはありません。部分キャッシュ・ヒット・ブロック数が完全キャッシュ・ヒット・ブロック数より多い場合は、別のI/O特性タイプ (ファイルシステム、データベース、またはWebサーバ) を使用するとパフォーマンスが向上する可能性があります。
- Misses - SSDキャッシュ内にブロックがなかったホスト読み取りの数。これはSSDキャッシュ・ミスで、ベース・ボリュームから読み取りが行われた場合に発生します。
- Misses – Blocks – [Misses]のブロック数。
- Populate Actions (Host Reads) - ベース・ボリュームからSSDキャッシュにデータがコピーされたホスト読み取りの数。
- Populate Actions (Host Reads) – Blocks - [Populate Actions (Host Reads)]のブロック数。
- Populate Actions (Host Writes) - ベース・ボリュームからSSDキャッシュにデータがコピーされたホスト書き込みの数。
書き込みI/O処理でキャッシュに書き込まないキャッシュ設定の場合、[取り込み処理 (ホスト書き込み) ]の数がゼロになることがあります。
- Populate Actions (Host Writes) - Blocks - [Populate Actions (Host Writes)]のブロック数。
- Invalidate Actions – データが無効化された / SSDキャッシュから削除された回数。キャッシュの無効化処理は、各ホスト書き込み要求、Forced Unit Access (FUA) によるホスト読み取り要求、確認要求、およびその他一部の状況で実行されます。
- Recycle Actions - 別のベース・ボリュームやLBA範囲、またはその両方にSSDキャッシュ・ブロックが再利用された回数。
効果的なキャッシュでは、読み取り処理と書き込み処理の合計数よりも再利用回数が少ないことが重要です。[リサイクル処理]の回数が読み取りと書き込みの合計数に近い場合は、SSDキャッシュでスラッシングが発生しています。この場合はキャッシュ容量を増やす必要があります。または、ワークロードがSSDキャッシュに適していません。
- Available Bytes - SSDキャッシュのうち、このコントローラーが使用可能なバイト数。
[Available Bytes]、[Allocated Bytes]、および[User Data Bytes]を使用して、[キャッシュ割り当て率 (%) ]と[キャッシュ使用率 (%) ]が計算されます。
- Allocated Bytes - SSDキャッシュのうち、このコントローラーによって割り当てられているバイト数。SSDキャッシュから割り当てられたバイトは、空の場合と、ベース・ボリュームのデータが含まれている場合があります。
[Available Bytes]、[Allocated Bytes]、および[User Data Bytes]を使用して、[キャッシュ割り当て率 (%) ]と[キャッシュ使用率 (%) ]が計算されます。
- User Data Bytes - SSDキャッシュから割り当てられているバイトのうち、ベース・ボリュームのデータを含むバイト数。
[Available Bytes]、[Allocated Bytes]、および[User Data Bytes]を使用して、[キャッシュ割り当て率 (%) ]と[キャッシュ使用率 (%) ]が計算されます。