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シック ボリュームとシン ボリュームの比較

シック ボリュームは常にフルプロビジョニングされます。つまり、ボリューム作成時にすべての容量が割り当てられます。シン ボリュームは常にシンプロビジョニングされます。つまり、ボリュームにデータが書き込まれるときに容量が割り当てられます。

シック ボリュームは、プールまたはボリューム グループから作成できます。シン ボリュームはプールからのみ作成でき、ボリューム グループからは作成できません。
ThinkSystem System Managerには、シン ボリュームを作成するオプションはありません。シン ボリュームを作成するにはコマンドライン インターフェイス(CLI)を使用します。
ボリューム タイプ説明
シック ボリューム
  • シック ボリュームでは、将来のストレージ ニーズを見越して、大容量のストレージ スペースが事前に確保されます。

  • シック ボリュームは、ボリューム作成時に物理ストレージ上で事前に割り当てられたボリューム サイズ全体を使用して作成されます。つまり、100GiBのボリュームを作成すると、ドライブ上で割り当てられた100GiBの容量が実際に消費されます。ただし、一部のスペースが使用されず、ストレージ容量の利用率が下がる場合があります。

  • シック ボリュームを作成する場合は、1つのボリュームに容量を過剰に割り当てないようにしてください。1つのボリュームに容量を過剰に割り当てると、システム内の物理ストレージをすぐに使い果たしてしまう可能性があります。

  • コピー サービス(Snapshotイメージ、Snapshotボリューム、ボリューム コピー、および非同期ミラーリング)用のストレージ容量も必要なため、シック ボリュームにすべての容量を割り当ててしまわないように注意してください。スペースが十分でない場合、プールやボリューム グループへの書き込みがブロックされる可能性があります。この状況が発生すると、空き容量アラートしきい値の警告が表示されます。

シン ボリューム
  • シック ボリュームとは異なり、シン ボリュームに必要なスペースは作成時には割り当てられず、必要に応じてあとから提供されます。

  • シン ボリュームのサイズは過剰に割り当てることができます。つまり、ボリュームのサイズよりも大きなLUNサイズを割り当てることができます。その後、LUNのサイズを拡張することなく、したがってユーザを切断することなく、必要に応じてボリュームを拡張できます(必要であればドライブを追加できます)。

  • シンプロビジョニング ブロックのスペース再生(UNMAP)では、ホストからSCSI UNMAPコマンドを実行し、ストレージ アレイ上のシンプロビジョニングされたボリュームのブロックを再生できます。シンプロビジョニングをサポートするストレージ アレイでは、再生されたスペースを、同じストレージ アレイ内の他のシンプロビジョニングされたボリュームの割り当て要求に使用できます。これにより、ディスク スペースの消費状況が改善され、リソースがより効率的に使用されます。

シン ボリュームの制限事項

シン ボリュームでは、次の例外を除いて、シック ボリュームと同じ処理がすべてサポートされます。

  • シン ボリュームのセグメント サイズは変更できません。

  • シン ボリュームでは読み取り前冗長性チェックを有効にできません。

  • シン ボリュームはコピー ボリューム処理のターゲット ボリュームとして使用できません。

  • Snapshot処理ではシン ボリュームを使用できません。

  • シン ボリュームの割り当て容量制限と警告しきい値は、非同期ミラー ペアのプライマリ側だけで変更できます。プライマリ側でこれらのパラメータを変更すると、自動的にセカンダリ側に反映されます。