ボリュームに関する用語
ストレージ アレイに関連するボリュームの用語を次に示します。
すべてのボリューム タイプ
用語 | 説明 |
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割り当て容量 | 割り当て容量はボリュームの作成やコピー サービス処理に使用します。 割り当て容量とレポート容量はシック ボリュームでは同じですが、シン ボリュームでは異なります。シック ボリュームの場合、物理的に割り当てられたスペースはホストに報告されるスペースと同じです。シン ボリュームの場合、ホストに報告される容量がレポート容量で、データの書き込み用に現在割り当てられているドライブのスペースが割り当て容量となります。 |
アプリケーション | アプリケーションは、SQL ServerやExchangeなどのソフトウェアです。アプリケーションごとに、サポートするワークロードを1つ以上定義します。一部のアプリケーションについては、ストレージを最適化する推奨されるボリューム構成がSystem Managerから自動的に提示されます。ボリューム構成には、I/Oタイプ、セグメント サイズ、コントローラ所有権、読み取りと書き込みのキャッシュなどが含まれます。 |
容量 | 容量は、ボリュームに格納できるデータの量です。 |
コントローラ所有権 | コントローラ所有権は、ボリュームを所有するプライマリ コントローラを定義します。ボリュームを「所有」するコントローラとして、優先所有コントローラ(AまたはB)を指定できます。ボリュームの所有権は、自動ロード バランシング機能を使用して自動的に調整され、コントローラ間でワークロードが移動する際の負荷の不均衡が解消されます。自動ロード バランシングはI/Oワークロードを自動的に分散する機能を提供し、ホストからの受信I/Oトラフィックは動的に管理されて両方のコントローラに分配されます。 |
動的キャッシュ読み取りプリフェッチ | 動的キャッシュ読み取りプリフェッチでは、コントローラは、ドライブからキャッシュにデータ ブロックを読み取っているときに、連続する追加のデータ ブロックをキャッシュにコピーすることができます。これにより、以降のデータ要求にキャッシュから対応できる可能性が高まります。動的キャッシュ読み取りプリフェッチは、シーケンシャルI/Oを使用するマルチメディア アプリケーションで重要です。データがキャッシュにプリフェッチされる速度と量は、ホスト読み取りの速度と要求サイズに基づいて自動で調整されます。ランダム アクセスの場合、データがキャッシュにプリフェッチされることはありません。この機能は、読み取りキャッシュが無効になっている場合は適用されません。 動的キャッシュ読み取りプリフェッチはシン ボリュームに対しては常に無効で、変更することはできません。 |
空き容量領域 | 空き容量領域は、ボリュームを削除するか、ボリュームの作成時に使用可能なすべての空き容量を使用しなかった場合に発生する空き容量です。1つ以上の空き容量領域があるボリューム グループでボリュームを作成する場合、ボリュームの容量はそのボリューム グループ内の最も大きい空き容量領域以内に制限されます。たとえば、ボリューム グループに合計15GiBの空き容量があり、最も大きい空き容量領域が10GiBであるとすると、作成できるボリュームのサイズは最大10GiBです。 空き容量を統合すると、追加ボリュームを作成する際にボリューム グループ内の空き容量を最大限使用できるようになります。 |
ホスト | ホストは、ストレージ アレイ上のボリュームにI/Oを送信するサーバです。 |
ホスト クラスタ | ホスト クラスタはホストのグループです。ホスト クラスタを作成すると、同じボリュームを複数のホストに簡単に割り当てることができます。 |
ホット スペア ドライブ | ホット スペア ドライブはボリューム グループでのみサポートされます。ホット スペア ドライブにはデータは格納されておらず、RAID 1、RAID 3、RAID 5、またはRAID 6のボリューム グループに含まれるボリュームで障害が発生した場合のスタンバイとして機能します。ホット スペア ドライブを使用すると、ストレージ アレイの冗長性が向上します。 |
LUN | 論理ユニット番号(LUN)はホストがボリュームへのアクセスに使用する番号で、アドレス スペースに割り当てられます。ボリュームはLUNの形式でホストに容量として提示されます。 各ホストには独自のLUNアドレス スペースがあります。そのため、同じLUNを複数のホストで使用して、異なるボリュームにアクセスできます。 |
メディア スキャン | メディア スキャンは、ドライブに対する正常なデータの読み取り / 書き込み前に、ドライブ メディアのエラーを検出する手段です。メディア スキャンはバックグラウンド処理として実行され、定義されたユーザ ボリューム内のすべてのデータと冗長性情報をスキャンします。 |
ネームスペース | ネームスペースは、ブロック アクセス用にフォーマットされたNVMストレージです。SCSIの論理ユニットに相当し、ストレージ アレイではボリュームに関連します。 |
プール | プールは、論理的にグループ化されたドライブの集まりです。プールを使用し、ホストにアクセス可能な 1 つ以上のボリュームを作成できます(ボリュームはプールまたはボリューム・グループから作成します)。 |
プールまたはボリューム グループ容量 | プール、ボリューム、またはボリュームグループの容量は、ストレージ アレイ内の容量のうち、プールまたはボリューム グループに割り当てられている容量です。この容量は、ボリュームの作成のほか、コピー サービス処理やストレージ オブジェクトのさまざまな容量ニーズに対処するために使用されます。 |
読み取りキャッシュ | 読み取りキャッシュは、ドライブから読み取られたデータを格納するバッファです。読み取り処理の対象となるデータが以前の処理ですでにキャッシュに格納されていれば、ドライブにアクセスする必要はありません。読み取りキャッシュのデータは、フラッシュされるまで保持されます。 |
レポート容量 | レポート容量は、ホストに報告され、ホストからアクセスできる容量です。 レポート容量と割り当て容量はシック ボリュームでは同じですが、シン ボリュームでは異なります。シック ボリュームの場合、物理的に割り当てられたスペースはホストに報告されるスペースと同じです。シン ボリュームの場合、ホストに報告される容量がレポート容量で、データの書き込み用に現在割り当てられているドライブのスペースが割り当て容量となります。 |
セグメント・サイズ | セグメントは、あるドライブに格納されるデータの量(KiB)です。この量に達すると、ストライプ(RAIDグループ)内の次のドライブへと進みます。セグメント サイズは、ボリューム グループの容量と同じかそれよりも小さくなります。プールのセグメント サイズは固定で、変更することはできません。 |
ストライピング | ストライピングは、ストレージ アレイにデータを格納する方法の1つです。データ フローを一定のサイズのブロック(「ブロック サイズ」)に分割し、このブロックを各ドライブに1つずつ順に書き込みます。このデータ格納方法は、複数の物理ドライブにデータを分散して格納する場合に使用されます。ストライピングはRAID 0と同義で、パリティを使用せずにRAIDグループ内のすべてのドライブにデータを分散します。 |
ボリューム | ボリュームは、アプリケーション、データベース、およびファイルシステムがデータを格納するコンテナです。ホストがストレージ アレイのストレージにアクセスするために作成される論理コンポーネントです。 |
ボリュームの割り当て | ボリューム割り当ては、ホストLUNのボリュームへの割り当てを定義したものです。 |
ボリューム名 | ボリューム名は、ボリュームの作成時に割り当てられる文字列です。デフォルトの名前をそのまま使用することも、ボリュームに格納されたデータのタイプを表した名前を指定することもできます。 |
ボリューム グループ | ボリューム グループは、同じ特性を持つボリュームのコンテナです。ボリューム グループごとに容量とRAIDレベルが定義されています。ボリューム・グループを使用し、ホストにアクセス可能な 1 つ以上のボリュームを作成できます(ボリュームはまボリューム・グループまたはプールから作成します)。 |
ワークロード | ワークロードは、アプリケーションをサポートするストレージ オブジェクトです。アプリケーションごとにワークロード(インスタンス)を1つ以上定義できます。一部のアプリケーションについては、特性が似たボリュームで構成されるようにSystem Managerによってワークロードが設定されます。これらのボリューム特性は、ワークロードがサポートするアプリケーションのタイプに基づいて最適化されます。たとえば、Microsoft SQL Serverアプリケーションをサポートするワークロードを作成し、そのワークロード用のボリュームを作成すると、Microsoft SQL Serverをサポートするようにボリューム特性が最適化されます。 |
書き込みキャッシュ | 書き込みキャッシュは、ドライブにまだ書き込まれていないホストからのデータを格納するバッファです。書き込みキャッシュのデータは、ドライブに書き込まれるまで保持されます。書き込みキャッシュにより、I/Oパフォーマンスを向上させることができます。 |
ミラーリングありの書き込みキャッシュ | ミラーリングありの書き込みキャッシュでは、一方のコントローラのキャッシュ メモリに書き込まれたデータがもう一方のコントローラのキャッシュ メモリにも書き込まれます。そのため、一方のコントローラで障害が発生した場合、もう一方のコントローラで未処理の書き込み処理をすべて完了できます。書き込みキャッシュのミラーリングは、書き込みキャッシュが有効で、2台のコントローラが配置されている場合にのみ使用できます。ミラーリングありの書き込みキャッシュは、ボリュームの作成時にデフォルトで設定されます。 |
バッテリなしの書き込みキャッシュ | バッテリなしの書き込みキャッシュでは、バッテリがない、障害が発生している、完全に放電されている、フル充電されていないなどの状況でも書き込みキャッシュが継続されます。バッテリなしの書き込みキャッシュを選択すると電源の喪失時にデータが失われる可能性があるため、一般には推奨されません。通常、書き込みキャッシュは、バッテリが充電されるか障害が発生したバッテリが交換されるまで、コントローラによって一時的にオフにされます。 |
シン ボリュームに固有の用語
用語 | 説明 |
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割り当て容量の制限 | 割り当て容量の制限は、シン・ボリュームの拡張時に割り当てることができる物理容量の上限です。 |
書き込み済み容量 | 書き込み済み容量は、シン ボリュームに割り当てられたリザーブ容量のうちの書き込み済みの容量です。 |
警告しきい値 | 警告しきい値を設定すると、シン ボリュームの割り当て容量がしきい値に達したときに警告しきい値アラートを発行できます。 |