オフラインとオンラインのどちらかのボリューム コピー処理を実行できます。オフライン処理では、ソース ボリュームからデータを読み取ってターゲット ボリュームにコピーします。オンライン処理では、Snapshotボリュームをソースとして使用して、そのデータをターゲット ボリュームにコピーします。
データの整合性を確保するために、どちらのタイプのボリューム コピー処理でも、ターゲット ボリュームに対するすべてのI/Oアクティビティが中断されます。手順が完了するまでターゲット ボリューム上のデータが整合性のない状態になるため、このような中断処理が行われます。
オフラインおよびオンラインのボリューム コピー処理について以下で説明します。
オフラインのボリューム コピー関係は、ソース ボリュームとターゲット ボリューム間の関係です。オフライン コピーは、ソース ボリュームからデータを読み取り、そのデータをターゲット ボリュームにコピーします。コピーの実行中は、ソース ボリュームに対するすべての更新が一時停止されます。ソース ボリュームに対するすべての更新を一時停止するのは、時間の経過による不整合がターゲット ボリュームで発生しないようにするためです。
オフライン コピー処理に関する重要なポイント |
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読み取り要求と書き込み要求 | ボリューム コピー処理のステータスが実行中または保留の場合、オフライン コピーに参加しているソース ボリュームは読み取り専用のI/Oアクティビティに使用できます。 書き込み要求はオフライン コピーが完了したあとで許可されます。 書き込み禁止のエラー メッセージが表示されないようにするために、ステータスが実行中のボリューム コピー処理に参加しているソース ボリュームにはアクセスしないでください。
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ジャーナリング ファイルシステム | ソース ボリュームがジャーナリング ファイルシステムでフォーマットされている場合は、ソース ボリュームに対する読み取り要求を発行しようとすると、ストレージ アレイ コントローラから拒否されてエラー メッセージが表示されることがあります。 ジャーナリング ファイルシステムのドライバは、読み取り要求の発行を試行する前に書き込み要求を発行します。コントローラは書き込み要求を拒否します。書き込み要求が拒否されたために、読み取り要求が発行されない可能性があります。この状況により、ソース ボリュームが書き込み禁止であることを示すエラー メッセージが表示される場合があります。 この問題が発生するのを回避するために、ボリューム コピー処理のステータスが実行中の場合、オフライン コピーに参加しているソース ボリュームにはアクセスしないでください。
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オンラインのボリューム コピー関係は、Snapshotボリュームとターゲット ボリューム間の関係です。ソース ボリュームがオンラインになっていて、データの書き込みに使用できる場合は、ボリューム コピー処理を開始できます。そのためには、ボリュームのSnapshotを作成し、そのSnapshotをコピーの実際のソース ボリュームとして使用します。
ソース ボリュームに対してボリューム コピー処理を開始すると、System Managerはベース ボリュームのSnapshotイメージおよびそのイメージとターゲット ボリューム間のコピー関係を作成します。Snapshotイメージをソース ボリュームとして使用すると、ストレージ アレイでは、コピーの実行中も引き続きソース ボリュームへの書き込みを行うことができます。
オンライン コピー処理中は、copy-on-write手順が原因でパフォーマンスが低下します。オンライン コピーが完了すると、ベース ボリュームのパフォーマンスが元に戻ります。
オンライン コピー処理に関する重要なポイント |
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どのような種類のボリュームを使用できますか? | ポイントインタイム イメージの作成対象となるボリュームはベース ボリュームとも呼ばれます。このボリュームには、ストレージ アレイ上の標準ボリュームまたはシン ボリュームを使用する必要があります。 ターゲット ボリュームは、ボリューム グループ内の標準ボリュームまたはプール内の標準ボリュームです。ターゲット ボリュームとして、シン ボリュームやSnapshotグループ内のベース ボリュームを使用することはできません。 オンラインのボリューム コピー機能を使用すると、シン ボリュームから同じストレージ アレイにあるプール内の標準ボリュームにデータをコピーできます。ただし、ボリューム コピー機能を使用して、標準ボリュームからシン ボリュームにデータをコピーすることはできません。
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ベース ボリュームのパフォーマンス | |
作成されるボリュームのタイプ | Snapshotボリュームとリザーブ容量ボリュームは、オンライン コピー処理中に作成されます。 Snapshotボリュームはデータを格納する実際のボリュームではなく、特定の時間にボリュームに格納されたデータへの参照です。 作成されるSnapshotごとに、そのSnapshotのデータを保持するためのリザーブ容量ボリュームが作成されます。リザーブ容量ボリュームは、Snapshotイメージの管理にのみ使用されます。
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リザーブ容量ボリューム | ソース ボリューム上のデータ ブロックが変更される前に、変更対象のブロックの内容が保管用のリザーブ容量ボリュームにコピーされます。 リザーブ容量ボリュームにはそのデータ ブロック内の元のデータのコピーが格納されるため、データ ブロックに対する以降の変更はソース ボリュームにのみ書き込まれます。 リザーブ容量ボリュームに格納されるのはSnapshotの作成時刻以降に変更されたデータ ブロックだけであるため、オンライン コピー処理で使用されるディスク スペースは完全な物理コピーよりも少なくなります。
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