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ボリュームの容量

ストレージ アレイ内のドライブは、データに対して物理ストレージ容量を提供します。データの格納を開始する前に、プールまたはボリューム グループと呼ばれる論理コンポーネントに割り当て容量を設定する必要があります。これらのストレージ オブジェクトを使用して、ストレージ アレイのデータを設定、格納、メンテナンス、保持できます。

容量を使用したボリュームの作成と拡張

プールまたはボリューム グループ内の未割り当て容量または空き容量からボリュームを作成できます。

  • 未割り当て容量からボリュームを作成するときは、プールまたはボリューム グループとボリュームを同時に作成できます。

  • 空き容量からボリュームを作成するときは、既存のプールまたはボリューム グループに追加のボリュームを作成します。

ボリューム容量を拡張したら、それに一致するようにファイル・システム・サイズを手動で増やす必要があります。この方法は、使用しているファイル・システムによって異なります。詳細については、お使いのホスト・オペレーティング・システムの資料を参照してください。

シック ボリュームとシン ボリュームの容量タイプ

シック ボリュームまたはシン ボリュームのどちらかを作成できます。レポート容量と割り当て容量はシック ボリュームでは同じですが、シン ボリュームでは異なります。

  • シック ボリュームの場合、ボリュームのレポート容量は割り当て済みの物理ストレージ容量と同じになります。物理ストレージ容量全体が存在している必要があります。物理的に割り当てられるスペースは、ホストにレポートされるスペースと同じになります。

    通常は、シック ボリュームのレポート容量を、ボリュームが拡張すると予想される最大容量に設定します。シック ボリュームは、予測可能な高パフォーマンスをアプリケーションに提供します。これは主に、すべてのユーザ容量が作成時に予約され、割り当てられているためです。

  • シン ボリュームの場合、レポート容量はホストにレポートされる容量ですが、割り当て容量はデータの書き込み用として現在割り当てられているドライブ スペースの量です。

    レポート容量は、ストレージ アレイ上の割り当て容量よりも大きくなる可能性があります。現在使用可能な資産に関係なく、シン ボリュームの拡張に合わせてサイズを設定できます。

ThinkSystem System Managerには、シン ボリュームを作成するオプションはありません。シン ボリュームを作成するにはコマンドライン インターフェイス(CLI)を使用します。

シック ボリュームの容量制限

シック ボリュームの最小容量は1MiBであり、最大容量はプールまたはボリューム グループ内のドライブの数と容量によって決定されます。

シック ボリュームのレポート容量を拡張する際は、次のガイドラインに注意してください。

  • 小数点以下3桁まで指定できます(例:65.375GiB)。

  • ボリューム グループで使用可能な最大値以下の容量を指定してください。

    ボリュームを作成する場合は、セグメント サイズの動的(DSS)変更のための追加容量が事前に割り当てられます。DSS変更は、ボリュームのセグメント サイズを変更できるソフトウェアの機能です。

  • 一部のホスト オペレーティング システムでは、2TiBより大きいボリュームがサポートされます(最大レポート容量はホスト オペレーティング システムで決定されます)。実際には、一部のホスト オペレーティング システムでサポートされるのは最大128TiBのボリュームです。詳細については、お使いのホスト オペレーティング システムのマニュアルを参照してください。

シン ボリュームの容量制限

レポート容量が多く、割り当て容量が比較的少ないシン ボリュームを作成できます。これは、ストレージの利用率の向上と効率化に効果的です。シン ボリュームでは、アプリケーションの実行を中断することなく、アプリケーションのニーズの変化に応じて割り当て容量を拡張できるため、ストレージ管理が簡易化され、ストレージ利用率が向上します。

シン ボリュームには、レポート容量と割り当て容量に加えて、書き込み済み容量も含まれています。書き込み済み容量は、シン ボリュームに割り当てられたリザーブ容量のうちの書き込み済みの容量です。

次の表は、シン ボリュームの容量制限を示しています。

容量のタイプ最小サイズ最大サイズ
レポート32MiB256TiB
割り当て4MiB64TiB

シン・ボリュームの場合、最大報告容量の 256 TiB に達していると容量を拡張できません。シン・ボリュームの予約済み容量が最大報告容量よりも大きいサイズに設定されていることを確認します。

割り当て容量の制限

割り当て容量は、割り当て容量の制限に基づいてSystem Managerで自動的に拡張されます。割り振られた容量制限により、シン ボリュームの自動拡張を報告された容量未満に制限できるようになります。書き込まれたデータの量が割り当てられている容量に近づくと、割り当てられた容量制限を変更できます。

割り当て容量の制限を変更するには、「ストレージ」 > 「ボリューム」 > 「シン・ボリュームの監視」タブ > 「制限の変更」を選択します。

空き容量の不足

System Managerでは、シン ボリュームの作成時にフル容量を割り当てないため、プールの空き容量が不足する可能性があります。スペース不足の場合は、シン ボリュームについてだけではなく、プールの容量を必要とする他の処理(SnapshotイメージやSnapshotボリュームなど)についてもプールへの書き込みがブロックされることがあります。ただし、プールからの読み取り処理は引き続き実行できます。このような状況が発生すると、アラートしきい値の警告が送信されます。