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コントローラー - スタック間接続の規則

SAS ディスク・シェルフがソフトウェア・ベースのディスク所有権を使用し、コントローラー・ポート A/C および B/D がどのようにスタックに接続されているか、コントローラー・ポート A/C および B/D がどのようにポート・ペアに整理されているか、DM3000x、DM5000x、または DM7000xのポート 0b および 0a がどのようにスタックに接続されているかを理解することで、HA ペア構成の各コントローラーから各スタックへの SAS 接続を正しく配線できます。

SAS ディスク・シェルフのソフトウェア・ベースのディスク所有権の規則

SAS ディスク・シェルフでは、(ハードウェア・ベースのディスク所有権ではなく) ソフトウェア・ベースのディスク所有権を使用します。これは、ディスク・ドライブの所有権が、ストレージ・システムの物理的な接続のトポロジー (ハードウェア・ベースのディスク所有権向け) によって決定されるのではなく、ディスク・ドライブに保存されることを意味します。具体的には、ディスク・ドライブの所有権がコントローラー - スタック間接続の配線方法ではなく、ONTAP (自動または CLI コマンド) によって割り当てられます。

SAS ディスク・シェルフはハードウェア・ベースのディスク所有権スキームを使用して配線しないでください。

コントローラー A および C のポート接続の規則 (DM3000x、DM5000x、または DM7000xの構成ではない場合)

  • A および C のポートは、常にスタックへのプライマリー・パスとなります。
  • A および C のポートは、常にスタック内で論理的に最初のディスク・シェルフに接続します。
  • A および C のポートは、常にディスク・シェルフ IOM ポート 1 および 2 に接続します。

    IOM ポート 2 はクアッド・パス HA およびクアッド・パスの構成にのみ使用されます。

  • コントローラー 1 の A および C のポートは、常に IOM A (ドメイン A) に接続します。
  • コントローラー 2 の A および C のポートは、常に IOM B (ドメイン B) に接続します。
次の図は、クアッド・ポート HBA 1 個とディスク・シェルフのスタック 2 個を持つマルチパス HA 構成でのコントローラー・ポート A および C の接続方法を示しています。スタック 1 への接続は青色で示されています。スタック 2 への接続はオレンジ色で示されています。

コントローラー B および D のポート接続の規則 (DM3000x、DM5000x、または DM7000xの構成ではない場合)

  • B および D のポートは、常にスタックへのセカンダリー・パスとなります。
  • B および D のポートは、常にスタック内で論理的に最後のディスク・シェルフに接続します。
  • B および D のポートは、常にディスク・シェルフ IOM ポート 3 および 4 に接続します。

    IOM ポート 4 はクアッド・パス HA およびクアッド・パスの構成にのみ使用されます。

  • コントローラー 1 の B および D のポートは、常に IOM B (ドメイン B) に接続します。
  • コントローラー 2 の B および D のポートは、常に IOM A (ドメイン A) に接続します。
  • B および D のポートは、1 つずつ PCI スロットの順序をオフセットすることによってスタックに接続されるため、最初のスロットの最初のポートが最後に配線されます。
次の図は、クアッド・ポート HBA 1 個とディスク・シェルフのスタック 2 個を持つマルチパス HA 構成でのコントローラー・ポート B および D の接続方法を示しています。スタック 1 への接続は青色で示されています。スタック 2 への接続はオレンジ色で示されています。

ポート・ペア接続の規則 (DM3000x、DM5000x、または DM7000xの構成ではない場合)

コントローラーの SAS ポート A、B、C、D は、HA ペア構成でコントローラー - スタック間接続を配線する場合にシステムの回復力や整合性のためにすべての SAS ポートを活用する方式でポート・ペアに整理されます。

  • ポート・ペアは、コントローラー A または C の SAS ポートおよびコントローラー B または D の SAS ポートで構成されます。

    A および C の SAS ポートは、スタック内で論理的に最初のシェルフに接続します。B および D の SAS ポートは、スタック内で論理的に最後のシェルフに接続します。

  • ポート・ペアは、お使いのシステムの各コントローラーにある SAS ポートをすべて使用します。

    すべての SAS ポート (物理 PCI スロットの HBA [スロット 1-N] およびコントローラーのオンボードの [スロット 0]) をポート・ペアに組み込むことでシステム回復力が向上します。どの SAS ポートも除外しないでください。

  • ポート・ペアは次のように識別され整理されます。
    1. A ポートをリストしてから、スロットの順番で C ポートに移ります (0、1、2、3 という順番)。

      例: 1a、2a、3a、1c、2c、3c

    2. B ポートをリストしてから、スロットの順番で D ポートに移ります (0、1、2、3 という順番)。

      例: 1b、2b、3b、1d、2d、3d

    3. リストの最初のポートがリストの最後に移動するように、D および B のポート・リストを書き直します。

      例:

      複数の SAS ポートを使用できる場合、スロットの順番を 1 つずつオフセットすることで、複数のスロット (物理 PCI スロットとオンボード・スロット) 全体でポート・ペアのバランスを調整します。こうして、1 つのスタックが単一の SAS HBA に配線されることを防ぎます。

    4. A と C のポート (ステップ 1 でリストされたもの) を D および B のポート (ステップ 2 でリストされたもの) にリストされた順番でペアリングします。

      例: 1a/2b、2a/3b、3a/1d、1c/2d、2c/3d、3c/1b。

      HA ペアでは、最初のコントローラーで識別されたポート・ペアのリストは、2 つ目のコントローラーにも適用可能です。
  • システムを配線するときに、ポート・ペアを識別した順番で使用したり、ポート・ペアをスキップしたりできます。
    • すべてのポート・ペアがシステム内のスタックの配線に必要である場合、識別 (リスト) された順番でポート・ペアを使用します。

      たとえば、システムに対して 6 個のポート・ペアを識別し、マルチパスとして配線するスタックが 6 個ある場合、リストした順番でポート・ペアを配線します。

      1a/2b、2a/3b、3a/1d、1c/2d、2c/3d、3c/1b

    • システム内のスタックの配線にすべてのポート・ペアを必要としない場合は、ポート・ペアをスキップします (ポート・ペアを 1 つおきに使用します)。

      たとえば、システムに対して 6 個のポート・ペアを識別し、マルチパスとして配線するスタックが 3 個ある場合、リストのポート・ペアを 1 つおきに配線します。

      ご使用のシステム内にスタックのケーブル接続に必要な数を超えるポート・ペアがある場合は、システム上の SAS ポートを最適化するために、いくつかのポート・ペアをスキップすることをお勧めします。SAS ポートを最適化することで、ご使用のシステムのパフォーマンスが最適化されます。

コントローラー - スタック間の配線ワークシートは、HA ペア構成のコントローラー - スタック間接続を配線するためにポート・ペアを識別して整理する際に役立つツールです。

マルチパス接続のコントローラー - スタック間配線ワークシートのテンプレート

クアッド・パス接続のコントローラー - スタック間配線ワークシートのテンプレート

DM3000x、DM5000x、または DM7000xのコントローラー 0b および 0a の外部ディスク・シェルフに対するポート接続の規則

DM3000x、DM5000x、または DM7000xは、各コントローラーが内部ストレージ (ポート 0b) とスタックで同じドメイン接続を保持する必要があるため、固有の接続の規則があります。つまり、コントローラーがシャーシのスロット A (コントローラー 1) にある場合、ドメイン A (IOM A) 内となるため、ポート 0b はスタック内の IOM A に接続する必要があります。コントローラーがシャーシのスロット B (コントローラー 2) にある場合、ドメイン B (IOM B) 内となるため、ポート 0b はスタック内の IOM B に接続する必要があります。
正しいドメインに 0b ポートを接続 (ドメインの相互接続) しない場合、お使いのシステムが堅牢性の問題にさらされ、安全かつスムーズに手順を実行できなくなります。
  • コントローラー 0b ポート (内部ストレージ・ポート):
    • コントローラー 1 の 0b のポートは、常に IOM A (ドメイン A) に接続します。
    • コントローラー 2 の 0b のポートは、常に IOM B (ドメイン B) に接続します。
    • ポート 0b は、常にプライマリー パスとなります。
    • ポート 0b は、常にスタック内で論理的に最後のディスク・シェルフに接続します。
    • ポート 0b は常にディスク・シェルフ IOM ポート 3 に接続します。
  • コントローラー 0a ポート (内部 HBA ポート):
    • コントローラー 1 の 0a のポートは、常に IOM B (ドメイン B) に接続します。
    • コントローラー 2 の 0a のポートは、常に IOM A (ドメイン A) に接続します。
    • ポート 0a は、常にセカンダリー パスとなります。
    • ポート 0a は、常にスタック内で論理的に最初のディスク・シェルフに接続します。
    • ポート 0a は常にディスク・シェルフ IOM ポート 1 に接続します。

次の図では、DM3000x、DM5000x、または DM7000xのマルチパス HA 構成に関する内部ストレージ・ポート (0b) のドメイン接続について示しています。