RAIDボリュームの作成 (自動ドライブ選択)
create volumeコマンドは、ストレージ・アレイ内の複数のドライブをまたがってボリューム・グループを作成し、そのボリューム・グループ内に新しいボリュームを作成します。ストレージ・アレイ・コントローラーによって、ボリュームに含まれるドライブが選択されます。
対応アレイ
このコマンドは、DE2000H、DE4000H、DE4000F、DE6000H または DE6000F の個々のストレージ・アレイに適用されます。
ロール
このコマンドをストレージ・アレイに対して実行するには、Storage Admin ロールが必要です。
コンテキスト
構文
create volume driveCount=numberOfDrives
[volumeGroupUserLabel="volumeGroupName"]
raidLevel=(0 | 1 | 3 | 5 | 6)
userLabel="volumeName"
driveMediaType=(HDD | SSD | unknown | allMedia)
[driveType= SAS]
[capacity=volumeCapacity]
[owner=(a|b)]
[cacheReadPrefetch=(TRUE | FALSE)]
[segmentSize=segmentSizeValue]
[usageHint=(fileSystem | dataBase | multiMedia)]
[trayLossProtect=(TRUE | FALSE)]
[drawerLossProtect=(TRUE | FALSE)]
[dssPreAllocate=(TRUE | FALSE)]
[securityType=(none | capable | enabled)]
[secureDrives=(fips | fde )]
[dataAssurance=(none | enabled)]
[resourceProvisioningCapable=(TRUE | FALSE)]
パラメーター
パラメーター | 説明 |
---|---|
driveCount | ボリューム・グループで使用する未割り当てのドライブの数。 |
volumeGroupUserLabel | 新しいボリューム・グループに付ける名前。新しいボリューム・グループ名は二重引用符 (" ") で囲みます。 注 ボリューム・グループのユーザー・ラベルを指定しない場合、コントローラー・ファームウェアによって番号が割り当てられます。 |
raidLevel | ボリュームが含まれているボリューム・グループのRAIDレベル。有効な値は、 0 、 1 、 3 、 5 、または 6 です。 |
userLabel | 新しいボリュームに付ける名前。新しいボリューム名は二重引用符 (" ") で囲みます。 注 このパラメーターは必須です。 |
driveMediaType | ボリューム・グループに使用するドライブ・メディアのタイプ。有効なドライブ・メディアは、次のとおりです。
|
driveType | ボリュームで使用するドライブのタイプ。ドライブ・タイプを混在させることはできません。 有効なドライブ・タイプは、次のとおりです。 有効なドライブ・タイプは SAS です。 |
capacity | ストレージ・アレイに追加するボリュームのサイズ。サイズは、 bytes 、 KB 、 MB 、 GB 、 TB のいずれかの単位で定義します。 |
owner | ボリュームを所有するコントローラー。有効なコントローラー識別子は、 a または b で、 a はスロットAのコントローラー、 b はスロットBのコントローラーです。所有者を指定しない場合は、コントローラー・ファームウェアによって所有者が特定されます。 |
cacheReadPrefetch | キャッシュ読み取りプリフェッチをオンまたはオフにする設定。キャッシュ読み取りプリフェッチをオフにする場合は、このパラメーターを FALSE に設定します。キャッシュ読み取りプリフェッチをオンにする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。 |
segmentSize | コントローラーがボリューム内の 1 つのドライブに書き込むデータ量 (KB)。有効な値は、 8 、 16 、 32 、 64 、 128 、 256 、 512 です。 |
usageHint | cacheReadPrefetch パラメーターと segmentSize パラメーターの両方をデフォルト値にする設定。デフォルト値は、ボリュームを使用しているアプリケーションの標準的なI/O使用パターンに基づきます。有効な値は、 fileSystem 、 dataBase 、または multiMedia です。 |
trayLossProtect | ボリューム・グループを作成するときにトレイ損失の保護を有効にする設定。トレイ損失の保護を有効にする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。デフォルト値は FALSE です。 |
drawerLossProtect | ミラー・リポジトリー・ボリューム・グループを作成するときにドロワー損失の保護を有効にする設定。ドロワー損失の保護を有効にする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。デフォルト値は FALSE です。 |
dssPreAllocate | 今後のセグメント・サイズの拡大に備えてリザーブ容量が割り当てられていることを確認する設定。デフォルト値は TRUE です。 |
securityType | ボリューム・グループおよび関連するすべてのボリュームの作成時にセキュリティー・レベルを指定する設定。有効な値は、次のとおりです。
|
resourceProvisioningCapable | リソースのプロビジョニング機能が有効かどうかを指定する設定。リソースのプロビジョニングを無効にするには、このパラメーターを FALSE に設定します。デフォルト値は TRUE です。 |
注記
名前には、英数字、ハイフン、下線を任意に組み合わせて使用できます。名前の最大文字数は30文字です。
driveCount パラメーターを使用すると、ボリューム・グループで使用するドライブの数を選択できます。トレイIDとスロットIDでドライブを指定する必要はありません。ボリューム・グループで使用する特定のドライブは、コントローラーが選択します。
owner パラメーターは、ボリュームを所有するコントローラーを定義します。
capacity パラメーターを使用して容量を指定しない場合、ボリューム・グループ内の使用可能なすべてのドライブ容量が使用されます。容量の単位を指定しない場合は、 bytes がデフォルト値として使用されます。
セグメント・サイズ
コントローラーがボリューム内の 1 つのドライブに書き込めるデータ・ブロックの数は、セグメントのサイズによって決まります。各データ・ブロックには 512 バイトのデータが格納されます。データ・ブロックはストレージの最小単位です。セグメントのサイズによって、格納されるデータ・ブロックの数が決まります。たとえば、8KB のセグメントには 16 個のデータ・ブロックが含まれます。64KB のセグメントには 128 個のデータ・ブロックが含まれます。
セグメント・サイズの値を入力すると、その値は、実行時にコントローラーで指定される、サポートされている値と照合されます。入力した値が有効でない場合、コントローラーは有効な値のリストを返します。1 つの要求に対して 1 つのドライブを使用することで、同時に他のドライブでは他の要求に対応することができます。ボリュームが属している環境で、1 人のユーザが大量のデータ (マルチメディアなど) を転送している場合は、1 つのデータ転送要求を 1 つのデータ・ストライプで処理すると、パフォーマンスが最大化されます。(データ・ストライプはセグメント・サイズであり、これに、データ転送に使用されるボリューム・グループ内のドライブの数が掛けられます)。この場合、同じ要求に対して複数のドライブが使用されますが、各ドライブへのアクセス回数は1回だけです。
マルチユーザー・データベースまたはファイルシステムのストレージ環境で最適なパフォーマンスを実現するには、データ転送要求を満たすために必要なドライブ数が最小限になるように、セグメント・サイズを設定します。
使用方法のヒント
使用方法のヒント | セグメント・サイズの設定 | 動的キャッシュ読み取りプリフェッチの設定 |
---|---|---|
ファイルシステム | 128KB | 有効 |
データベース | 128KB | 有効 |
マルチメディア | 256KB | 有効 |
キャッシュ読み取りプリフェッチ
キャッシュ読み取りプリフェッチを使用すると、コントローラーは、ホストによって要求されたデータ・ブロックをドライブから読み取ってキャッシュにコピーすると同時に、追加のデータ・ブロックをキャッシュにコピーできます。この操作により、将来のデータ要求がキャッシュから達成できる可能性が高くなります。キャッシュ読み取りプリフェッチは、シーケンシャル・データ転送を使用するマルチメディア・アプリケーションにとって重要です。 cacheReadPrefetch パラメーターの有効な値は TRUE または FALSE です。デフォルトは TRUE です。
セキュリティー・タイプ
securityType パラメーターを使用して、ストレージ・アレイのセキュリティー設定を指定します。
securityType パラメーターを enabled に設定する場合は、ストレージ・アレイのセキュリティー・キーを作成する必要があります。 create storageArray securityKey コマンドを使用して、ストレージ・アレイのセキュリティー・キーを作成します。次のコマンドがセキュリティー・キーに関連しています。
- create storageArray securityKey
- export storageArray securityKey
- import storageArray securityKey
- set storageArray securityKey
- enable volumeGroup [volumeGroupName] security
- enable diskPool [diskPoolName] security
セキュア・ドライブ
セキュリティー対応ドライブには、Full Disk Encryption (FDE) ドライブと連邦情報処理標準 (FIPS) ドライブがあります。 secureDrives パラメーターを使用して、使用するセキュア・ドライブのタイプを指定します。使用可能な値は fips と fde です。
トレイ損失の保護およびドロワー損失の保護
トレイ / ドロワー損失の保護を有効にする場合は、次の表の追加条件を参照してください。
レベル | シェルフ損失の保護の基準 | 必要なシェルフの最小数 |
---|---|---|
ディスク・プール | ディスク・プールに同じトレイのドライブが3本以上含まれない。 | 6 |
RAID 6 | ボリューム・グループに同じシェルフのドライブが3本以上含まれない。 | 3 |
RAID 3またはRAID 5 | ボリューム・グループ内のドライブがすべて別々のシェルフに配置されている。 | 3 |
RAID 1 | RAID 1ペアのドライブがそれぞれ別のシェルフに配置されている。 | 2 |
RAID 0 | シェルフ損失の保護は実現できない。 | 該当なし |
レベル | ドロワー損失の保護の基準 | 必要なドロワーの最小数 |
---|---|---|
ディスク・プール | プールに5つのドロワーすべてのドライブが含まれていて、各ドロワーに同じ数のドライブが配置されている。60 ドライブのトレイでは、ディスク・プールに含まれるドライブの数が 15、20、25、30、35、40、45、50、55、または 60 のいずれかである場合にドロワー損失の保護を実現できます。 | 5 |
RAID 6 | ボリューム・グループに同じドロワーのドライブが3本以上含まれない。 | 3 |
RAID 3またはRAID 5 | ボリューム・グループ内のドライブがすべて別々のドロワーに配置されている。 | 3 |
RAID 1 | ミラー ペアのドライブがそれぞれ別のドロワーに配置されている。 | 2 |
RAID 0 | ドロワー損失の保護は実現できない。 | 該当なし |
コマンドの例
create volume driveCount=2 volumeGroupUserLabel="FIPS_VG" raidLevel=1 userLabel="FIPS_V"
driveMediaType=HDD securityType=capable secureDrives=fips
最小ファームウェア・レベル
11.60.3 では、resourceProvisioningCapable パラメーターが追加されました。