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ストレージ・アレイの自動設定の表示

show storageArray autoConfiguration コマンドは、 autoConfigure storageArray コマンドを実行した場合にストレージ・アレイによって作成されるデフォルトの自動設定を表示します。

対応アレイ

このコマンドは、DE2000H、DE4000H、DE4000F、DE6000H または DE6000F の個々のストレージ・アレイに適用されます。

ロール

このコマンドをストレージ・アレイに対して実行するには、Storage Admin または Storage Monitor ロールが必要です。

コンテキスト

ストレージ・アレイが特定のプロパティをサポートするかどうかを確認する場合は、そのプロパティをパラメーターで指定してこのコマンドを実行します。設定情報を取得する場合は、パラメーターを入力する必要はありません。

構文

show storageArray autoConfiguration 
[driveType=(SAS)
driveMediaType=(HDD | SSD | unknown | allMedia)
raidLevel=(0 | 1 | 3 | 5 | 6)
volumeGroupWidth=<var id="GUID-066F1B85-01DE-4EC2-B6D6-EF7F40614EE7__V1111283" className="keyword varname">numberOfDrives</var>
volumeGroupCount=<var id="GUID-066F1B85-01DE-4EC2-B6D6-EF7F40614EE7__V1111284" className="keyword varname">numberOfVolumeGroups</var>
volumesPerGroupCount=<var id="GUID-066F1B85-01DE-4EC2-B6D6-EF7F40614EE7__V1111285" className="keyword varname">numberOfVolumesPerGroup</var>
hotSpareCount=<var id="GUID-066F1B85-01DE-4EC2-B6D6-EF7F40614EE7__V1111286" className="keyword varname">numberOfHotspares</var>
segmentSize=<var id="GUID-066F1B85-01DE-4EC2-B6D6-EF7F40614EE7__V1111287" className="keyword varname">segmentSizeValue</var>
cacheReadPrefetch=(TRUE | FALSE)
securityType=(none | capable | enabled)
secureDrives=(fips | fde)]

パラメーター

パラメーター説明
driveType

ストレージ・アレイに使用するドライブのタイプ。

ストレージ・アレイ内のドライブのタイプが 1 つだけの場合、 driveType パラメーターは不要です。有効なドライブ・タイプは、次のとおりです。

有効なドライブ・タイプは SAS です。

driveMediaType

ミラー・リポジトリー・ボリューム・グループに使用するドライブ・メディアのタイプ。有効なドライブ・メディアは次のとおりです。

  • SSD – ドライブ・トレイ内にソリッド・ステート・ドライブがある場合は、このオプションを使用します。
  • unknown – ドライブ・トレイ内のドライブ・メディアのタイプが不明な場合に使用します。
  • allMedia – ドライブ・トレイ内にあるすべてのタイプのドライブ・メディアを使用する場合は、このオプションを使用します。

このパラメーターは、 repositoryDriveCount パラメーターを使用する場合に使用します。

ストレージ・アレイ内に複数のドライブ・メディア・タイプがある場合は、このパラメーターを使用する必要があります。

raidLevel ストレージ・アレイ内にドライブが含まれているボリューム・グループのRAIDレベル。有効な RAID レベルは、 0 1 3 5 6 です。
volumeGroupWidth ストレージ・アレイ内のボリューム・グループのドライブ数 (ドライブの容量によって異なります)。整数値を使用します。
volumeGroupCount ストレージ・アレイ内のボリューム・グループの数。整数値を使用します。
volumesPerGroupCount ボリューム・グループあたりの同容量のボリューム数。整数値を使用します。
hotSpareCount ストレージ・アレイに必要なホット・スペアの数。整数値を使用します。
segmentSize コントローラーがボリューム内の 1 つのドライブに書き込むデータ量 (KB)。有効な値は、 8 16 32 64 128 256 512 です。
cacheReadPrefetch キャッシュ読み取りプリフェッチをオンまたはオフにする設定。キャッシュ読み取りプリフェッチをオフにする場合は、このパラメーターを FALSE に設定します。キャッシュ読み取りプリフェッチをオンにする場合は、このパラメーターを TRUE に設定します。
securityType

ボリューム・グループおよび関連するすべてのボリュームの作成時にセキュリティー・レベルを指定する設定。有効な値は、次のとおりです。

  • none – ボリューム・グループとボリュームはセキュアではありません。
  • capable – ボリューム・グループとボリュームにはセキュリティーを設定する機能がありますが、セキュリティーが有効になっていません。
  • enabled – ボリューム・グループとボリュームはセキュリティーが有効になっています。
secureDrives

ボリューム・グループで使用するセキュア・ドライブのタイプ。有効な値は、次のとおりです。

  • fips – FIPS 準拠のドライブのみを使用するには。
  • fde – FDE 準拠のドライブのみを使用するには。
重要
このパラメーターは securityTypeパラメーターとともに使用します。 securityType パラメーターの none を指定すると、パラメーターの secureDrives の値は無視されます。セキュアでないボリューム・グループにはセキュアなドライブ・タイプを指定する必要がないからです。

注記

プロパティを指定しない場合、このコマンドはドライブ・タイプごとにRAIDレベル5の候補を返します。RAIDレベル5の候補がない場合は、RAIDレベル6、RAIDレベル3、RAIDレベル1、またはRAIDレベル0の候補を返します。自動設定のプロパティを指定すると、ファームウェアがそのプロパティをサポートするかどうかがコントローラーによって確認されます。

ドライブとボリューム・グループ

ボリューム・グループは、ストレージ・アレイのコントローラーによって論理的にグループ化された一連のドライブです。ボリューム・グループ内のドライブ数は、RAIDレベルとコントローラー・ファームウェアによって制限されます。ボリューム・グループを作成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

  • あとから使用するために容量をリザーブできるように、空のボリューム・グループを作成できます。

  • ボリューム・グループのドライブの最大数は、次の条件によって異なります。

    • コントローラーのタイプ

    • RAIDレベル

  • RAID レベルには次のものが含まれます。

    0、1、10、3、5、および 6
    • RAIDレベル3、RAIDレベル5、またはRAIDレベル6のボリューム・グループに配置できるドライブは最大30本です。

    • RAIDレベル6のボリューム・グループには、少なくとも5本のドライブが必要です。

    • RAIDレベル1のボリューム・グループに4本以上のドライブが配置されている場合、ストレージ管理ソフトウェアは、ボリューム・グループをRAIDレベル10 (RAIDレベル1 + RAIDレベル0) に自動的に変更します。

  • ボリューム・グループに容量の異なる複数のドライブが含まれている場合は、容量の最も小さいドライブに基づいてボリューム・グループ全体の容量が計算されます。

  • トレイ / ドロワー損失の保護を有効にする場合は、次の表の追加条件を参照してください。

レベルシェルフ損失の保護の基準必要なシェルフの最小数
ディスク・プールディスク・プールに同じトレイのドライブが3本以上含まれない。6
RAID 6

ボリューム・グループに同じシェルフのドライブが3本以上含まれない。

3
RAID 3またはRAID 5

ボリューム・グループ内のドライブがすべて別々のシェルフに配置されている。

3
RAID 1

RAID 1ペアのドライブがそれぞれ別のシェルフに配置されている。

2
RAID 0

シェルフ損失の保護は実現できない。

該当なし
レベルドロワー損失の保護の基準必要なドロワーの最小数
ディスク・プールプールに5つのドロワーすべてのドライブが含まれていて、各ドロワーに同じ数のドライブが配置されている。60 ドライブのトレイでは、ディスク・プールに含まれるドライブの数が 15、20、25、30、35、40、45、50、55、または 60 のいずれかである場合にドロワー損失の保護を実現できます。5
RAID 6ボリューム・グループに同じドロワーのドライブが3本以上含まれない。3
RAID 3またはRAID 5ボリューム・グループ内のドライブがすべて別々のドロワーに配置されている。3
RAID 1ミラー ペアのドライブがそれぞれ別のドロワーに配置されている。2
RAID 0ドロワー損失の保護は実現できない。該当なし

ホット・スペア

ボリューム・グループでは、データを保護するための重要な戦略は、ストレージ・アレイ内の使用可能なドライブをホット・スペア・ドライブとして割り当てることです。ホット・スペアは、データが格納されていないドライブで、RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 6のいずれかのボリューム・グループでドライブに障害が発生した場合に、ストレージ・アレイでスタンバイとして機能します。ホット・スペアを使用すると、ストレージ・アレイの冗長性が向上します。

通常、ホット・スペア・ドライブには、保護対象のドライブの使用済み容量以上の容量が必要です。ホット・スペア・ドライブのメディア・タイプ、インターフェース・タイプ、および容量は、保護対象のドライブと同じである必要があります。

ストレージ・アレイのドライブで障害が発生した場合、通常は障害が発生したドライブの代わりにホット・スペアが自動的に使用されます。ドライブ障害の発生時にホット・スペアが使用可能であれば、冗長性データ・パリティを使用してホット・スペアにデータが再構築されます。データ退避のサポートでは、障害が発生したドライブとしてマークされる前に、データをホット・スペアにコピーすることもできます。

障害が発生したドライブを物理的に交換したあとで、次のいずれかのオプションを使用してデータをリストアできます。

障害が発生したドライブを交換した場合、ホット・スペアのデータは、交換用のドライブにコピーされます。この操作をコピーバックと呼びます。

ホット・スペア・ドライブをボリューム・グループの永続的メンバーとして指定している場合は、コピーバック処理は不要です。

ボリューム・グループのトレイ損失の保護およびドロワー損失の保護が可能かどうかは、ボリューム・グループを構成するドライブの場所によって異なります。ドライブの障害とホット・スペア・ドライブの場所によって、トレイ損失保護とドロワー損失保護が失われる場合があります。トレイ損失の保護とドロワー損失の保護が影響を受けないようにするには、障害が発生したドライブを交換してコピーバック処理を開始する必要があります。

ストレージ・アレイでは、データ保証 (DA) が有効なボリュームのホット・スペア対象範囲としてDA対応ドライブが自動的に選択されます。

DAが有効なボリュームのホット・スペア対象範囲のストレージ・アレイ内にDA対応ドライブがあることを確認してください。DA対応ドライブの詳細については、データ保証機能を参照してください。

セキュリティー対応 (FIPSおよびFDE) ドライブは、セキュリティー対応とセキュリティー非対応の両方のドライブのホット・スペアとして使用できます。セキュリティー非対応ドライブは、他のセキュリティー非対応ドライブに対して、また、ボリューム・グループでセキュリティーが有効になっていない場合はセキュリティー対応ドライブに対しても、対応可能です。FIPS ボリューム・グループは、FIPSドライブのみをホット・スペアとして使用できます。ただし、FIPS ホット・スペアは、セキュリティー非対応、セキュリティー対応、およびセキュリティー有効のボリューム・グループに対して使用可能です。

ホット・スペアがない場合でも、ストレージ・アレイの動作中に、障害が発生したドライブを交換できます。RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 6のいずれかのボリューム・グループのドライブに障害が発生した場合、コントローラーは冗長性データ・パリティを使用して、交換用ドライブにデータを自動的に再構築します。この操作を再構築と呼びます。

セグメント・サイズ

コントローラーがボリューム内の 1 つのドライブに書き込めるデータ・ブロックの数は、セグメントのサイズによって決まります。各データ・ブロックには 512 バイトのデータが格納されます。データ・ブロックはストレージの最小単位です。セグメントのサイズによって、格納されるデータ・ブロックの数が決まります。たとえば、8KB のセグメントには 16 個のデータ・ブロックが含まれます。64KB のセグメントには 128 個のデータ・ブロックが含まれます。

セグメント・サイズの値を入力すると、その値は、実行時にコントローラーで指定される、サポートされている値と照合されます。入力した値が有効でない場合、コントローラーは有効な値のリストを返します。1 つの要求に対して 1 つのドライブを使用することで、同時に他のドライブでは他の要求に対応することができます。ボリュームが属している環境で、1 人のユーザが大量のデータ (マルチメディアなど) を転送している場合は、1 つのデータ転送要求を 1 つのデータ・ストライプで処理すると、パフォーマンスが最大化されます。(データ・ストライプはセグメント・サイズであり、これに、データ転送に使用されるボリューム・グループ内のドライブの数が掛けられます)。この場合、同じ要求に対して複数のドライブが使用されますが、各ドライブへのアクセス回数は1回だけです。

マルチユーザー・データベースまたはファイルシステムのストレージ環境で最適なパフォーマンスを実現するには、データ転送要求を満たすために必要なドライブ数が最小限になるように、セグメント・サイズを設定します。

キャッシュ読み取りプリフェッチ

キャッシュ読み取りプリフェッチを使用すると、コントローラーは、ホストによって要求されたデータ・ブロックをドライブから読み取ってキャッシュにコピーすると同時に、追加のデータ・ブロックをキャッシュにコピーできます。この操作により、将来のデータ要求がキャッシュから達成できる可能性が高くなります。キャッシュ読み取りプリフェッチは、シーケンシャル・データ転送を使用するマルチメディア・アプリケーションにとって重要です。 cacheReadPrefetch パラメーターの有効な値は TRUE または FALSE です。デフォルトは TRUE です。

セキュリティー・タイプ

securityType パラメーターを使用して、ストレージ・アレイのセキュリティー設定を指定します。

securityType パラメーターを enabled に設定する場合は、ストレージ・アレイのセキュリティー・キーを作成する必要があります。 create storageArray securityKey コマンドを使用して、ストレージ・アレイのセキュリティー・キーを作成します。次のコマンドがセキュリティー・キーに関連しています。

  • create storageArray securityKey
  • export storageArray securityKey
  • import storageArray securityKey
  • set storageArray securityKey
  • enable volumeGroup [volumeGroupName] security
  • enable diskPool [diskPoolName] security

セキュア・ドライブ

セキュリティー対応ドライブには、Full Disk Encryption (FDE) ドライブと連邦情報処理標準 (FIPS) ドライブがあります。 secureDrives パラメーターを使用して、使用するセキュア・ドライブのタイプを指定します。使用可能な値は fips fde です。

コマンドの例

show storageArray autoConfiguration securityType=capable secureDrives=fips;